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トッテナム時代のベイル
Bale completes medical,will arrive in London on Friday(sky sports)
Bale set to fly in to complete Spurs loan move on Friday(BBC)
英国の主要メディアが報じているのだから、間違いないだろう。ガレス・ベイルがトッテナムのメディカルチェックを無事に通過。契約書にサインするため、現地時間18日にロンドンにやって来る。
レアル・マドリーからのローン移籍は、この一週間で加速した。ベイルのエージェントを務めるジョナサン・バートレッドからも、微妙なニュアンスの発言が相次いだ。
「ローン移籍に関しては近いうちに決着する」
「ベイルが幸せになるための努力は惜しまない。その選択肢としてプレミリーグ復帰はありうる」
なにを聞かれても「マドリー残留」を貫いてきた男が、方向転換したのだ。ベイルが動く、と判断するのが当然だ。
また、ベイルの移籍先としてリンクされてきたマンチェスター・ユナイテッドは、英国系の若手を補強プランの軸に据えている。31歳のウェールズ代表はクラブの方針に合致しない。したがって古巣トッテナムが最有力となり、水曜日の時点でジョゼ・モウリーニョ監督も否定しなかった。
「われわれにはストライカーが必要だ」
具体名こそ明かさなかったが、交渉の進展を匂わせている。
さて、ベイルはトッテナムでどのような役割が与えられるのだろうか。適性は右サイドのアタッカーで、ドリブル突破からの左足シュートが一番の見せ場だ。往年のスピードこそ失せたものの、まだまだトップランクで通用する。右からベイル、ハリー・ケイン、ソン・フンミンが居並ぶ3トップは魅力的だ。
センターフォワードで起用されるケースもあるだろう。昨シーズン、ケインがハムストリングに裂傷を負って長期の戦線離脱。モウリーニョは頭を抱えたが、ベイルの獲得によってケインの負担も多少は軽くなる。サウサンプトンのダニー・イングス、メスのハビブ・ディアロ、トリノのアンドレア・ベロッティなど、ストライカーへのアプローチも棚上げすることになりそうだ。
マドリーにおける7年間は不幸せだった。「スペイン語を学ばない」「フットボーラーではなくゴルファー」「無駄飯食らい」などなど、多くのバッシングが浴びせられた。ベイルの姿勢に問題があったとはいえ、マドリーも守ろうとしなかった。これ以上、留まる必要はない。マドリー退団は、むしろ遅すぎたくらいだ。
慣れ親しんだノースロンドンなら、言葉の心配は要らない。イングランドならゴルフ場にも困らない。モウリーニョとマドリーをディスりつつコースをまわると、それはそれは息抜きできる。なによりも、トッテナム・サポーターがヒーローの帰還を歓迎するはずだ。
さぁ、完全復活に向けて──。ベイルの2020-21シーズンに期待しよう。
文:粕谷秀樹
粕谷 秀樹
ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。
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