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サッカー フットサル コラム 2019年9月20日

アスタナ相手に1-0の辛勝。ユナイテッドに胸騒ぎが…

粕谷秀樹のOWN GOAL,FINE GOAL by 粕谷 秀樹
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マンチェスター・ユナイテッド

さぁ、ヨーロッパリーグも始まった──。

実績や選手個々の能力を踏まえると、セビージャ、FCポルト、スポルティング、アーセナル、マンチェスター・ユナイテッド、ローマなどが優勝候補だ。2011-12シーズンの大会をアトレティコ・マドリーが制した後、チェルシー、セビージャ(3連覇)、ユナイテッド、アトレティコ、チェルシーと、タイトルはスペインとイングランドを行き来している。ここに割って入るのはローマか、あるいは中島俊哉を擁するポルトか。

さて、ダビド・デヘアとヴィクトル・リンデレフが契約を更新し、世界中のサポーターがホッとひと息ついたユナイテッドだが、ヨーロッパリーグの初戦はため息交じりで、いや、ため息ばかりで終わった。カザフスタンのアスタナを本拠オールド・トラッフォードに迎えた一戦は、1-0の辛勝である。

創造力がない。連動性もない。パススピードにも欠け、横につないでいるだけだ。ポール・ポグバが足首の故障で使えなかったとはいえ、アスタナとの総合力を比較した場合、少なくとも3点は取らなければならない。

試合終了後、オーレ・グンナー・スールシャール監督はこう言った。

「チャンスをものにしていれば、20分でカタがついていたと思う」

近ごろの常套句だ。打開策を見つけられないまま、時間ばかりが過ぎている。メイソン・グリーンウッド、タヒス・チョン、アンヘル・ゴメスなど、若手中心のメンバーゆえの苦戦ではなく、今シーズンも攻撃が停滞している事実に気づいていないとしたら、気づいていたとしても放置していたら、スールシャール監督もデイビッド・モイーズと同じ〈無能〉のレッテルを張られる。

このような状況では、週末のウェストハム戦(アウェー)も苦戦は免れないだろう。ポグバは間に合わず、スネを痛めているアントニー・マルシャルとルーク・ショーも欠場濃厚だ。

昨シーズン、アウェーのウェストハム戦は0-3の惨敗を喫した。創造力や連動性の欠如どころか、闘争本能すら感じられず、見ていて怒りすら込みあげてくるような一戦だった。史上最低といって差し支えない90分……。

ビッグ6に括られているものの、リヴァプール、マンチェスター・シティとの実力差は大きく開くばかりだ。トッテナムは完成度が高く、今シーズンのチェルシーは若手の台頭が目覚ましい。また、アーセナルはヨーロッパリーグ初戦のアイントラハト・フランクフルト戦(アウェー)で、苦しみながらも最終的には3-0の勝利を収めている。主力を温存しながら、だ。

シーズンが始まって一か月しか経っていない。苦戦は承知していた。ただ、やはり胸騒ぎがする。嫌な感じだ。

文:粕谷秀樹

粕谷 秀樹

ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。

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