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悪条件を克復してW杯予選で好スタートを切った日本代表。「劣悪なピッチ・コンディション」というフレーズはもはや死語?
後藤健生コラム by 後藤 健生ワールドカップ2次予選が始まり、日本代表は初戦でミャンマーを破って、順調なスタートを切った。
といっても、相手は格下のミャンマー(かつてのビルマ)だった。1970年代頃まではアジアの強国の地位を保っていたミャンマーも軍事政権下で国際交流の場を失ったためか、すっかり弱体化。ようやく、最近になって強化が進み始めたばかりで、現在のFIFAランキングは135位(それでも、東南アジアの中ではベトナム、タイ、フィリピンに次いで4番目)。
そんな格下の相手なので、日本の勝利は当然のことではある。
強いて不安要素があるとすれば、初戦の緊張感とピッチや気候などのコンディションの面だけだった。
メディアは、そんな不安要素を強調していたが、日本代表は降りしきる雨という難しいコンディションの中で前半の26分までに2点を奪って完勝してみせた。先日のパラグアイ戦と同じように「3点目」が取れなかったのが問題と言えば問題だったが、後半もチャンスは多く、クロスバーを叩く場面や相手GKの好守もあった。そこで無理をして「3点目」を取りに行くことなく、しっかりとコントロールして、無失点で終えたのは間違った選択ではなかった。
日本は、Jリーグが発足した1990年代以降、アジアの強国の地位を維持。アジア相手の試合では(韓国、イラン、オーストラリア戦を除いて)、引いて守る相手の守備をどうやってこじ開けるかが最大のテーマだった。
だが、ボールを保持していてもゴール前の迫力に欠けて点が取れず、一発のカウンターを狙われる……。それで苦い思いをしたことも何度もあった。GKとセンターバックが日本の弱点であり、またピッチ・コンディションにも悩まされてきたものだ。ボールを持っても、シュートを撃たないとも言われていた。今回のミャンマー戦で不安要素を掻き立てるような報道がなされたのも、そんな過去の苦い記憶があったからなのだろう。
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