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悪条件を克復してW杯予選で好スタートを切った日本代表。「劣悪なピッチ・コンディション」というフレーズはもはや死語?
後藤健生コラム by 後藤 健生だが、今の日本チームはそんな不安要素を払拭しつつある。
攻撃面でいえば、大迫勇也というポストプレーに長け、自らも点が取れる総合的なCFが存在し、2列目の堂安律、南野拓実、中島翔哉の3人は貪欲にドリブルで切れ込み、シュートを放つ。
守備面の弱点と言われ続けたCBも、吉田麻也がイングランド・プレミアリーグでしっかりとポジションを確保し続けており、そして、若い冨安健洋はボローニャに移籍してセリエAでも素晴らしいパフォーマンスを発揮している。冨安の守備範囲の広さは驚異的だ。
そして、ミャンマー戦最大の懸念材料だった、ピッチ・コンディションの悪さにも、日本代表は動ずることがなかった。
かつて、フィリップ・トルシエ監督の時代にワールド・チャンピオンであるフランスに挑戦し、サンドゥニの軟弱なピッに足をすくわれて0対5の大敗を喫したのは2001年の初め。19年近く昔のことだった。当時、あのコンディションの中でしっかりとプレーできたのは中田英寿だけだった。
アジアの戦いでも、ピッチに足をすくわれたことが何度もあり、当時のサッカー・メディアでは「劣悪なピッチ・コンディション」というフレーズがしきりに飛び交っていた。
日本代表がミャンマーと対戦したヤンゴンも、試合当日は雨が降り続いており、トゥワンナ・スタジアムのピッチはたっぷり水を含んだ状態で、しかも芝生が長くボールが走らない状態だった。日本のパス・サッカーには不向きな状態だ。
だが、日本代表はいつもより強めのキックを使ってそんなピッチ・コンディションを克服し、しっかりパスをつないでいた。そして、ロングボールでサイドチェンジを多用して、ミャンマーの守備を押し広げてチャンスを作り続けたのだ。
今の若い世代の日本人選手は応用力が高い。「劣悪なピッチ・コンディション」なるフレーズも死語と化したと言っていいだろう。
海外でプレーする選手が増えて、様々なコンディションを経験しているのだろうし、選手が入れ替わっても、過去の代表戦での記憶は生き続いている。
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