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サッカー フットサル コラム 2019年8月29日

世界最高のCBファンダイクにビッグプライズをダブルで!

粕谷秀樹のOWN GOAL,FINE GOAL by 粕谷 秀樹
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ファンダイク

1.フィルジル・ファンダイク(リヴァプール)
2.ラファエル・ヴァラン(レアル・マドリー)
3.カリドゥ・クリバリ(ナポリ)
4.エメリク・ラポルト(マンチェスター・シティ)
5.セルヒオ・ラモス(レアル・マドリー)
6.ジェラール・ピケ(バルセロナ)
7.ヤン・フェルトンゲン(トッテナム)
8.ジョルジョ・キエッリーニ(ユベントス)
9.トビー・アルデルヴァイレルト(トッテナム)
10.バリー・マグァイア(マンチェスター・ユナイテッド)

イギリスのフットボール専門誌『Four Four Two』が、世界のセンターバック・トップ10(8月現在)を発表した。

「なぜマタイス・デリフト(アヤックス→ユベントス)が入っていないんだ!?」。アヤックスのファンは怒っているに違いない。「ディエゴ・ゴディンだってトップレベルだぞ」。この夏、インテル・ミラノに移籍したキャプテンを、アトレティコ・マドリー支持者が懐かしんでる。「あれっ、クリス・スモーリングとフィル・ジョーンズ(ユナイテッド)は……」。言っていい冗談と悪い冗談がある。

ランキングには賛否両論がつきまとう。基本的に選者の趣味・嗜好が入るからだ。S・ラモスの実力は認めるものの、対戦相手を危険に陥れるラフプレーには怒りを隠せない。ちなみに筆者はデリフトとニクラス・ジューレ(バイエルン・ミュンヘン)がランクイン。前者は超近代的なCBで、昨シーズンのチャンピオズリーグでもアヤックス大躍進の担い手だった。後者は近年稀にみるハードタックラーだ。つなぎの精度も非常に高い。

さて、ファンダイクが世界最強にして最高のCBであることに、異論は少ないはずだ。彼の加入後、リヴァプール守備陣は見違えるほど安定し、昨シーズンはプレミアリーグ最少となる22失点。また、的確なコーチングでジョー・ゴメス、トレント=アレクサンダー・アーノルド、アンディ・ロバートソンを巧みに動かし、若手DF陣の成長も促している。

さらに、そのリーダーシップはユルゲン・クロップ監督が「アスリートとして、男として、人間としてパーフェクト」と絶賛し、キャプテンのジョーダン・ヘンダーソンも賛辞を惜しまなかった。

「彼は嫌われ役も買って出る。怒ったり叱ったり、ときには笑顔で励ましたり、チームのためになにをすべきかつねに考えているんだ」

リーダーのモデルロールとして各方面から高く評価されるヘンダーソンが脱帽するのだから、ファンダイクの人となりがうかがい知れる。

これほどの男だ。UEFAの年間最優秀選手とバロンドールのダブルを獲得しても不思議ではない。近年はクリスチャーノ・ロナウド(ユベントス)とリオネル・メッシ(バルセロナ)の独占市場になりつつあるが、18-19シーズンのチャンピオンズリーグは、ファンダイクを軸とするリヴァプールが制した。世界最強のCBにはスキャンダルがない。カネにも汚くない。

一対一で抜かれたことが話題になるCBは史上初だろう。守備者の地位を向上させるためにも、ファンダイクにビッグプライズを!

文:粕谷秀樹

粕谷 秀樹

ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。

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