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サッカー フットサル コラム 2018年12月10日

プレーオフ争いがますます激化。冬場はやはりFリーグの熱戦がお楽しみ!

Fリーグコラム by 後藤 健生
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Jリーグのすべての日程が終わり、例年ならこれから天皇杯が佳境を迎える時期だが、今年はリーグ戦閉幕の翌週に天皇杯も決勝戦を迎えることとなった(これが、リーグ戦とカップ戦の本来あるべき姿だ)。インカレや年代別大会や皇后杯、そして高校選手権などもあるが、日本のサッカー・シーズンは冬のシーズンオフに入る。

そういえば、今年はラグビーもワールドカップ準備の影響で全日本選手権が前倒しで年内に終わってしまう。フットボールは本来なら冬のスポーツだというのに、この冬、日本列島からはフットボールがなくなってしまうのだろうか。

そうだ、フットサルのFリーグがあるじゃないか!

そこで、今週末、僕はFリーグの観戦に行ってきた。

6月に開幕したFリーグも気が付けばもう第26節を迎えている。全12クラブの3回戦総当たりで行われているFリーグは第33節までだから、2月のプレーオフに向けて、いよいよシーズン終盤を迎えようとしているところだ。2月のプレーオフにはリーグ戦首位から3位までのチームが参加し、2位対3位で行われる準決勝の勝者が、リーグ戦首位のチームと優勝を懸けて争う。

今シーズンのFリーグでは名古屋オーシャンズがやはり絶対的な強さを誇っており、焦点はプレーオフ進出争いの方に絞られている。

第26節には、そのプレーオフ争いに絡むビッグマッチがあった。2位のシュライカー大阪が、3位の立川・府中アスレティックFCのホームに乗りこんでの直接対決である。

そこで、僕も立川・府中の本拠地「アリーナ立川・立飛」に向かった(名前の最後の読み方は「たちひ」である。立川飛行機というかつては軍用機を造っていた会社が、今は「立飛」という名前になっていて、その会社が建設したアリーナだ)。立川・府中は昨シーズンまでは本来のホームタウンである府中市総合体育館を使用していたが、今シーズンからその立飛のアリーナを使用。チーム名(呼称)にも「立川」の名前が入った。

僕は、このアリーナは初めてだった、僕が住んでいる練馬区方面からは西武拝島線と多摩モノレールを乗り継げば、わずかに40分。しかも、モノレールの「立飛」駅の目の前がアリーナなので、すこぶる便利だった。

さて、試合は意外な始まり方をした。キックオフからわずか19秒後、ホーム立川・府中のCKをカットしたシュライカー大阪の加藤未渚実が独走して、あっさりと先制してしまったのだ。

その後しばらくは、大阪が押し込む場面が多く、前からの激しいプレッシングを受けた立川・府中は反撃の糸口を作れなかった。しかし、時間の経過とともに、大阪の圧力は弱まり、それに伴って立川・府中がゲームを支配し始めたのだ。個人能力で上回る大阪の攻めを跳ね返すのではなく、攻撃の圧力を吸収するような感覚で守った立川・府中の守備がうまかった。

後半に入っても一進一退が続き、膠着状態でありながら立川・府中がやはり試合をコントロールした(後半のシュート数は立川・府中が15本に対して大阪は7本)。

もっとも、2位の大阪と3位の立川・府中の間の勝点差は「4」だったから、大阪とすればそのまま引き分けで終わったとしても問題なかったはずだ。大阪の比嘉リカルド監督は、勝点差を考えると、「立川・府中がGKを引き上げてフィールドプレーヤーを増やすパワープレーを仕掛けてくるのでは?」と思ったそうだ。

立川・府中の谷本俊介監督もパワープレーを考えたそうだが、最終的にそのままプレーを続けることを選択。そして、最終盤にゲームは動いた。

立川・府中が決勝点を決めたのは39分29秒。残り時間30秒だった。

ドラマが始まったのは大阪のアルトゥールがカウンターでドリブルを仕掛けたところからだった。立川・府中のジョーがタックルを仕掛けてボールを奪うと、カウンター返し。内田隼太がそのままドリブルで持ち込んでシュートを決めた。

立川・府中は、こうして2位の大阪に勝点1差に詰め寄り、プレーオフ進出争いはますます激しくなった。

4位のペスカドーラ町田は、前節、下位のバルドラール浦安相手に拙い試合をして引き分けに終わって一歩後退したものの、消化試合数も少ないのでまだまだ3位を狙える位置にいる。さらに、立川・府中と大阪の試合の前日にフウガドールすみだに完敗を喫した湘南ベルマーレも3位との勝点差が「8」と、まだ可能性を残している。

戦力的にも、現在の順位からも、大阪、立川・府中が優位とはいえ、それぞれのチームのカラーも明確化しており、上位の熱戦は見ごたえがある。これから冬本番を迎える日本列島。アリーナの中なので寒さに凍えることもないフットサル観戦はお薦めだ。

フットサルのルーツはいくつもあるが、冬が厳しくウィンターブレークの長いドイツなどのヨーロッパ諸国では、冬のオフの間のトレーニングや興行のために室内サッカーが行われていたという歴史がある。春秋制のシーズンを採用し、天皇杯が例年通りだとしても1月1日にサッカー・シーズンが終わってしまう日本でも、冬の間のフットサル観戦がもっと定着してもいいのではないか。

アリーナに出向いて、もしくはJスポーツの中継を通じて、Fリーグ観戦を楽しみたい。

後藤 健生

後藤 健生

1952年東京生まれ。慶應義塾大学大学院博士課程修了(国際政治)。64年の東京五輪以来、サッカー観戦を続け、「テレビでCLを見るよりも、大学リーグ生観戦」をモットーに観戦試合数は3700を超えた(もちろん、CL生観戦が第一希望だが!)。74年西ドイツ大会以来、ワールドカップはすべて現地観戦。2007年より関西大学客員教授

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