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サッカー フットサル コラム 2018年10月17日

序列にみる移籍のススメ。試合に出られなければ意味がない

粕谷秀樹のOWN GOAL,FINE GOAL by 粕谷 秀樹
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いま、チェルシーは好調だ。8節を終わって6勝2分無敗。マウリシオ・サッリ監督の哲学が早々と浸透し、機能的なフットボールを見せている。ただ、レギュラーメンバーがほぼ固定されているため、イングラド代表歴を持つ者でさえもベンチを温める日が続いている。

「チームの調子は非常にいい。チェルシーの一員として、それがなによりだ。しかし、現状に満足しているかと聞かれれば、素直に肯定はできないな。冬が近づけば、移籍も考えざるをえない」

ギャリー・ケイヒルが複雑な心境を吐露した。今シーズン、プレミアリーグでは先発していない。センターバックの序列としては、ダビド・ルイス、アントニオ・リュディガー、アンドレアス・クリステンセンに次ぐ四番手だ。空中戦には強いものの、サッリ監督がCBに求めるフィード技術を欠き、ハイペースも不得手であるため、主力として見なされていない。キャプテンであるにもかかわらず……。

ケイヒルみずからが語ったように、移籍市場が再開する来年1月は移籍を検討すべきだ。ナポリを率いていた当時から、サッリ監督はメンバーを固定する傾向が強い。負傷者が出れば、ケイヒルもレギュラーに昇格する可能性はあるが、主力が戻ってくればふたたびベンチ、もしくは帯同メンバーにすら加われない屈辱を味わうことになる。

32歳。まだ老け込む歳ではない。CBが脆弱なマンチェスター・ユナイテッド、ウェストハムあたりなら即戦力だ。チェルシーにこだわる必要はない。

ダニー・ドリンクウォーターも苦しい立場に追いやられた。チェルシーの中盤はジョルジーニョとエンゴロ・カンテが固定され、もうひとつのポジションをマテオ・コバチッチとロス・バークリーが激しく争っている。負傷が影響したとはいえ、あのセスク・ファブレガスでさえチーム内の序列は高くなく、イングランド代表としてロシア・ワールドカップの出場したルベン・ロフタス=チークの居場所もなくなりつつある。

こうした状況を踏まえると、ドリンクウォーターは中盤の最下層だ。戦術理解度をサッリ監督に疑問視されたとの情報も伝わってきた。プレミアリーグはおろか、ヨーロッパリーグや国内カップ戦でも試合に出場できるチャンスは少ない、と考えられる。昨シーズンはわずか12試合に終わった。監督が代わったにもかかわらず、夏も移籍候補に挙げられた。もはや構想外、といって差し支えないだろう。

しかし、ドリンクウォーターはまだ28歳だ。その運動量を欲するチームは必ずある。ケイヒル同様、チェルシーにこだわる必要はまったくない。

また、アントニオ・バレンシアが急速に衰え、ディオゴ・ダロトが経験不足だというのに、ベンチにすら入れないマッテオ・ダルミアン(ユナイテッド)、ジョー・ゴメスやトレント=アレクサンダー・アーノルドといった若手に圧されつつあるナサニエル・クライン(リヴァプール)、マウリシオ・ポチェッティーノの信頼をつかみ損ねたムサ・シソコ(トッテナム)なども、冬の移籍を視野に入れつつあるのではないだろうか。

ベンチを温めるぐらいなら、週給ダウンは覚悟のうえで新しい世界にチャレンジすべきだ。試合に出られなければ意味がない。

粕谷 秀樹

ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。

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