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サッカー フットサル コラム 2018年8月29日

一気に過熱するモウリーニョ退陣キャンペーン。早期解任も!?

粕谷秀樹のOWN GOAL,FINE GOAL by 粕谷 秀樹
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「わたしは3度プレミアリーグを制している。ほかの19人の監督は、合わせて二度だ」

トッテナムに0-3の大敗を喫した直後、マンチェスター・ユナイテッドのジョゼ・モウリーニョ監督はこう吠えた。

間違ってはいない。モウリーニョはチェルシーを3回の優勝に導いている。そのほか19人でプレミアリーグの頂に立った経験を持つ監督は、マンチェスター・シティのジョゼップ・グアルディオラと、彼の前任であるマヌエル・ペレグリーニ(現ウェストハム)だけだ。

しかし、過去に目を向けてなんの意味があるのだろうか。いま、モウリーニョが取り組むべき最大の課題は、2018-19シーズンをどのように戦うか、である。偉大な実績を盾に理論武装しても周囲の反感を買うだけだ。まして就任3シーズン目。チームの骨格が明確になってしかるべき時間が過ぎているにもかかわらず、戦略・戦術ともにシティ、リヴァプール、トッテナムに大きな後れを取っている。新体制が発足したチェルシーとアーセナルですら、監督のスタイルが早くもピッチ上で実践されようとしている。この事実に気づかなくてはならない。

もちろん、補強を怠った上層部、とくにエドワード・ウッドワードCEOにも責任はある。トッテナム戦でも懸案のセンターバックは脆さを露呈した。フィル・ジョーンズは簡単なプルアウェイでハリー・ケインにあっさりかわされ、クリス・スモーリングは待つべきシーンでタックルを仕掛け、ルーカス・モウラにゴールを許した。また、ヴィクトル・リンデレフはノールックのバックパスでスリリングなシーンを演出したり、追う足を止めたりもしている。リヴァプールの名DFとして名を馳せ、現在は情報番組の論客として知られるジェイミー・キャラガー曰く、「リンデレフはあまりにも不十分だ」

この夏、ユナイテッドへの移籍が確実視されたトビー・アルデルヴァイレルトが完璧な守りを披露しただけに、ユナイテッドCB陣の弱体はさらに浮き彫りにされた感が強い。

それにしても……。

なぜジョーンズとスモーリングを先発に起用したのだろうか。エリック・バイリーは前節のブライトン戦で致命的なミスを犯したとはいえ、開幕節のレスター戦は獅子奮迅の大活躍だった。ところが、ベンチにも入っていない。。
トッテナムの機動力を踏まえると、CBのファーストチョイスは運動能力の高いバイリーだ。懲罰と捉えられても不思議ではなく、モチベーションの低下につながりかねない。モウリーニョの狭量を示す人選だ。

トッテナム戦の敗北により、タブロイド紙の《モウリーニョ退陣キャンペーン》は一気に過熱するだろう。上層部が「現体制支持」を公言したものの、前言が撤回されるケースは世の常だ。続くバーンリー戦、ワトフォード戦でもつまずくようなら、早期解任も考えられる。

いまは、ただひたすら耐えるだけだ。そしてチーム全体が、ルーク・ショーのようにハードワークすることだ。22歳の若者は、真摯な姿勢でフットボールに打ち込んでいる。この情熱こそが、ユナイテッドを復調に導く原動力かもしれない。

粕谷 秀樹

ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。

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