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サッカー フットサル コラム 2018年8月17日

エメリには気の毒な洗礼だが、痛い目に遭うのなら早い方がいい

粕谷秀樹のOWN GOAL,FINE GOAL by 粕谷 秀樹
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決してエキサイティングな内容ではなく、マウリツィオ・サッリ新監督も「パススピードがまだまだ足りない」と苦言を呈したものの、チェルシーはハダースフィールドを3-0で退け、開幕戦を飾った。試合全体をほぼコントロールし、決定機も与えなかったのだから、上々のスタートだ。

したがって、今週末のアーセナル戦もメンバーの大幅な変更は考えられない。ハダースフィールド戦でやや精彩を欠いたロス・バークリーに代わり、ルーベン・ロフタスチークが中盤の一角に起用される程度のマイナーチェンジが有力視されている。

一方、アーセナルは周囲の期待を裏切った。0-2で敗れたマンチェスター・シティとの開幕戦では、なにもできなかった。前からプレスをかけるわけではなく、自陣に強固なプロックを築くわけでもない。ベルナルド・シウヴァに許した2点目などは、連動性を欠いたプレスをいとも簡単にかわされ、最終ラインのポジショニングがすべて中途半端という醜態までさらしている。

わずか一週間で、劇的に改善されるとは思えない。チェルシーのサッリ監督はしたたかすぎるほどの戦略家だ。アーセナルの弱点を研究してくるに違いない。ビルドアップする能力に欠ける最終ラインに激しく寄せたり、攻守をリンクするルーカス・トレイラ、あるいはグラニト・ジャカにエンゴロ・カンテをつけたり、いくつかの約束事でアーセナルを封じ込もうとするだろう。

また、11-12シーズンに3-5の勝利を収めて以降、スタンフォードブリッジでは1分6敗というデータもアーセナルに重くのしかかる。アルセーヌ・ヴェンゲル体制下の倦怠期が終わり、ウナイ・エメリ新監督の周囲にはまだポジティブな空気が流れているというが、シティ戦同様の低調なパフォーマンスが続くと、たったの2試合で評価が一変したとしても不思議ではない。

着任早々、シティ、チェルシーという強敵と相まみえるスケジュールは、新しい指揮官にはちょっと気の毒だ。気の休まる暇がない。しかし、これも《プレミアリーグの洗礼》だ。痛い目に遭うのなら、早い方がいい。

※チェルシー対アーセナル戦は、8月18日深夜1時15からJ SPORTS 2でライブ中継いたします。

粕谷 秀樹

ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。

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