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サッカー フットサル コラム 2018年6月18日

誰もが知る初戦の重要性。南アとブラジルの教訓を生かしたいベテラン主体の日本代表

元川悦子コラム by 元川 悦子
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日本代表の2018年ロシアワールドカップ初戦・コロンビア戦(サランスク)がいよいよ明日19日に迫ってきた。13日にベースキャンプ地・カザン入りした選手たちは14日から4日間のトレーニングを実施。うち3回を非公開にしてリスタート対策や基本戦術の徹底に時間を割いた。両ふくらはぎに張りを訴えている岡崎慎司(レスター)の別メニューが続いているのが気がかりではあるが、8日のスイス戦(ルガーノ)で腰を強打した大島僚太(川崎)と12日のパラグアイ戦(インスブルック)で右太もも打撲を負った昌子源(鹿島)は快方に向かっていて、プレーに支障はなさそうだ。

ここまで多彩なバリエーションを追い求めてきた西野監督だが、カザン入りしてからはある程度、メンバーも戦い方も定めている様子。基本布陣はコロンビアと同じ4-2-3-1で挑むことになるだろう。スタメンはまだ確実ではないが、1トップ・大迫勇也(ケルン)、トップ下・香川真司(ドルトムント)、ボランチ・長谷部誠(フランクフルト)、センターバックに・吉田麻也(サウサンプトン)、GK川島永嗣(メス)といったセンターラインはほぼ固まったのではないか。

5月21日の国内合宿スタート時は本田圭佑(パチューカ)を軸としたチーム作りを考えた指揮官だが、最終的には一気に調子を上げてきた香川を選ぶことになりそう。本田はスーパーサブとして大きな役割を担うのではないか。

いずれにしても、ワールドカップ初戦の重要性は誰もが熟知しているところ。過去5回の本大会を見ても、初戦黒星だった98年フランス、2006年ドイツ、2014年ブラジルの3大会の日本はグループ最下位に沈んでいる。逆に初戦をドロー発進した2002年日韓、勝利からスタートした2010年南アフリカの両大会はグループ1位通過を果たしている。「日本人はリバウンドメンタリティが弱いため、重要な初戦を落としてしまったら這い上がれない」と見る関係者も少なくない。今回も絶対に勝ち点1以上の結果を残さなければならないのだ。

そのためにも、最重要視されるのが守備だ。パラグアイ戦ではプレスに行くところと引くところのメリハリをつけ、ミドルゾーンでコンパクトな陣形を保つことができたが、ボール保持に秀でるコロンビア相手に同じような戦いはまずできない。大会2日目の15日にウルグアイに善戦したエジプト、スペインと3-3の引き分けに持ち込んだポルトガルのように自陣に引いて守る時間帯も長くなる。そこで耐えられなければミラクルを起こすことはできない。少しの集中力の欠如やミスが命取りになることを選手たちは今一度、自覚した方がいい。

加えて、徹底しなければならないのがリスタートの守備。西野監督は15日の非公開練習でコロンビアの攻撃を想定したセットプレーの確認を行ったようだが、相手には一発で仕留められる選手が数多くいる。UEFAヨーロッパリーグ(UEL)で過去2度の得点王に輝き、今季フランスリーグ1部でも18ゴールを挙げている生粋の点取り屋、ラメダル・ファルカオ(モナコ)はその筆頭だ。

彼と対峙した経験のある酒井宏樹(マルセイユ)は「かなりサボっているように見えて、一番大事なところには絶対にいる人。クロスの入り方とかもDFの視野から消えて虎視眈々とゴールを狙っている」といかに老獪なプレーをするかと実感している様子だ。川島にしても「つねに得点を狙っているし、ボールの出し手も彼の動きを見ているので、一瞬を狙ってくる」と嫌なところに侵入されるイメージをしている様子だ。ファルカオにいいボールを出せるハメス・ロドリゲス(バイエルン)という左の名手もいるだけに、いい位置でファールを与えてしまったらゴールに直結する覚悟を持って挑むべきだ。

さらに言うと、コロンビアのDF陣は売出中のダビンソン・サンチェス(トッテナム)など190㎝前後の長身選手がズラリと揃っている。彼らもリスタート時にはペナルティエリア内に陣取ってくるから、日本にとっては難易度が高い。普通に競り合ったら勝てないため、体を徹底的に寄せたり、複数人でマークに行くなど対策を入念に講じることも重要だ。日本の選手たちは今、ピッチ内のみならず、宿舎などでも話し合いを繰り返しているはず。その成果を最大限発揮し、失点ゼロで乗り切ることが、サプライズを起こすカギとなる。

15日のモロッコ戦(サンクトペテルブルク)を1-0で制し、アジア勢初勝利を挙げたイランも前線からのハードワークを辞さず、献身的に守備をした結果、失点ゼロで終盤まで試合を進めて、最後に値千金の1点を手にしている。そういった戦い方を見本にして、日本にも好ゲームを見せてほしいものだ。

代替画像

元川 悦子

もとかわえつこ1967年、長野県生まれ。夕刊紙記者などを経て、94年からフリーのサッカーライターに。Jリーグ、日本代表から海外まで幅広くフォロー。ワールドカップは94年アメリカ大会から4回連続で現地取材した。中村俊輔らシドニー世代も10年以上見続けている。そして最近は「日本代表ウォッチャー」として練習から試合まで欠かさず取材している。著書に「U-22」(小学館)「初めてでも楽しめる欧州サッカーの旅」(NHK出版)ほか。

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