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【Cycle*2024 フレーシュ・ワロンヌ フェミニーヌ:レビュー】過酷な気象条件のなかカタジナ・ニエウィアドマが涙の初優勝、約5年ぶりの勝利
サイクルロードレースレポート by 山口 和幸ニエウィアドマがフォレリングとロンゴボルギーニを引き離した
フィニッシュラインをトップ通過してからニエウィアドマはようやく片手を挙げた。3日前のアムステルゴールドレースでチームSDワークス・プロタイムのロレーナ・ウィーベス(オランダ)がウィニングポーズを取りながら、追い込んできたヴィスマ・リースアバイクのマリアンヌ・フォス(オランダ)に負けたことが頭にあったからだという。「残り100mで勝てたと思っても祝わないつもりだった。周りを見回してエネルギーを無駄にしたくなかった。ただ全力を尽くした」
2位のフォレリングは「昨年と同じように、最後の登りでも自分のリズムを見つけようとした。できるだけ長く、上り始めから先頭をキープし続けてそのままゴールしたかったけど、カタジナは私を逆転して勝つ力を持っていた。でも彼女が勝つのを見られてうれしかった」とゴール後に勝者を称えた。
死力を尽くしたトップ3がお互いを称える
「自分のコンディションには満足している。もちろんまだ改善の余地はあるけど、最大の目標はシーズンのもう少し先にある。アムステルでは前のレースよりもよかったし、今日はアムステルよりもよかったので、このまま続くといい。リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ ファムは今日のレースとは大きく異なる結果になると思う」
ロンゴボルギーニはゴール後に、「今日の私たちのリーダーはガイア・レアリーニ(イタリア)だった」と告白した。
「彼女は寒さのせいで苦戦してしまい、最後はチャンスを掴むように私に伝えてきた。厳しい気象条件のため、とても大変な1日だったけど、チームメイトが暖かい服や温かいお茶を用意して気遣ってくれたことがとても幸運だった。ニエウィアドマは完璧な位置で最後の勝負を開始した。男女ともに残り150mで差がついた。カタジナはとても尊敬している選手で、彼女が勝利に値する選手だと思う」
文:山口和幸
山口 和幸
ツール・ド・フランス取材歴25年のスポーツジャーナリスト。自転車をはじめ、卓球・陸上・ボート競技などを追い、日刊スポーツ、東京中日スポーツ、Number、Tarzan、YAHOO!ニュースなどで執筆。日本国内で行われる自転車の国際大会では広報を歴任。著書に『シマノ~世界を制した自転車パーツ~堺の町工場が世界標準となるまで』(光文社)。2013年6月18日に講談社現代新書『ツール・ド・フランス』を上梓。青山学院大学文学部フランス文学科卒。
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