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【Cycle*2023 パリ~トゥール:レビュー】ビッグサプライズ! イスラエル・プレミアテックのトレーニー、ライリー・シーハンがアメリカンライダー初制覇!
サイクルロードレースレポート by 福光 俊介J SPORTS サイクルロードレース【公式】YouTube
【ハイライト】パリ〜トゥール|Cycle*2023
快晴のパリ〜トゥール
メイン集団ではグラベルセクションに入るたびにアタックがかかっては、集団全体がそれを許さない……といった構図が続く。そうした中で、優勝候補に挙がっていたアルノー・ドゥリー(ロット・デスティニー)はバイクトラブルで後退、欧州王者ジャージを着るクリストフ・ラポルト(ユンボ・ヴィスマ)もバイク交換で一時的に後ろへ下がった。
流れが変わったのはフィニッシュまで22kmのタイミング。メイン集団から数秒先行していたラスムス・ティレル(ウノエックス・プロサイクリング チーム)が引き戻されたところで、オリヴィエ・ルガック(グルパマ・エフデジ)がアタック。それをシーハンがすかさずチェック。トビアス・ヨハンネセン(ウノエックス・プロサイクリング チーム)、ヨリス・デルボーヴ(サン ミッシェル・マヴィック・オーベル93)もついてきた。
4人の勢いは集団を上回り、少しずつではあるもののタイム差を広げていく。この段階で集団は17人。ラポルトら強力ライダーが控えてはいるものの、組織だって追えるチームが少ない。前を行く選手たちが有利になりつつある。
残り11kmで4人は先頭を走っていたアスキーに合流。グルパマ・エフデジ勢が2人と数的優位となり、ルガックが牽引役に回ってアスキーは最終局面に備えて脚を休める。シーハン、ヨハンネセン、デルボーヴも逃げ切りにかけて先頭交代に応じる。
この状況に、さすがのメイン集団も焦り始めた。残り5kmで19秒だったタイム差は、2kmほど進んだところで20秒以上に広がる。残り1kmを示すフラムルージュを通過する段階で15秒差まで戻したが、時すでに遅し。優勝者は先頭の5人から出ることが決定的になった。
先頭グループによる小集団スプリント
最終コーナーを抜けると最後の500m。ルガックがスピードを上げて最後のお膳立て。残り300mで早駆けに出たのはデルボーヴ。その後ろに潜んだシーハンが冷静に立ち回ると、フィニッシュまでの200mを先頭で駆け抜けた。並びかけたアスキーやヨハンネセンに競り勝ち、パリ~トゥールのタイトルをつかんだ。
「すべてのグラベルセクションで集団の前方を走った。みずからの意思で、積極的にレースを進めないといけないことは分かっていたからね。アタックしたのもグラベルに入る直前だった。集団のペースが緩んだから、仕掛けるには良いタイミングじゃないかと思ったんだ。ただ、優勝につながる動きになるだなんて思っていなかったけど」(シーハン)
もともとはヨーロッパでプロになることを目指し、フランスのクラブチームで走っていた。アメリカのナショナルチームに選考されたこともあったけど、プロ契約はつかめなかった。それもあって、今年からアメリカで始まった「ナショナルサイクリングリーグ」(NCL)に走りの場を移していた。自国のレースでも今回と同様に、数人での逃げからスプリントで勝つことがしばしば。つまりは、この勝利は得意パターンに持ち込んだものだったのだ。
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