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【ブエルタ・ア・エスパーニャ2023 レースレポート:第8ステージ】総合系ライダーたちによる争いに勝ったプリモシュ・ログリッチが今大会1回目の“テレマーク” マイヨ・ロホはセップ・クスのもとへ
サイクルロードレースレポート by 福光 俊介マイヨ・ロホを着たセップ・クス
アメリカ人ライダーのマイヨ・ロホは、2013年大会を制したクリス・ホーナー以来。今大会の戦力ナンバーワンで間違いないユンボ・ヴィスマの戦術カードは、充実の一途である。彼らにとって最大のライバルであるレムコは、クスから総合タイム2分31秒差。その7秒後ろにログリッチ、さらに4秒後ろにヴィンゲゴーがついている。2日前のステージで逃げ残った選手たちも引き続き個人総合上位につけており、形勢はまったくもって見えてこない。ただ、ひとつ確かなのは、数字のうえでユンボ・ヴィスマがダブルリーダーならぬ、「トリプルリーダー」態勢にあることだ。
「誰が総合リーダーかって? 見ての通り3人だよ。ヨナス(ヴィンゲゴー)、セップ(クス)、僕……もしかしたら他のチームメートもリーダーに名乗り出るかもね(笑)」(ログリッチ)
レース後にはクスのマイヨ・ロホを手放しで喜んだログリッチ。彼によれば、戦術における決定権は選手たちにゆだねられており、作戦やレース展開を見ながらそれぞれが意見を出し合って決めているのだという。
「リーダーであるヨナスと僕、そしてセップもここに加わる。その都度ベストな決定が下されるはずだ。少なくとも、ここまではすべて完璧さ」(ログリッチ)
雨のチームタイムトライアルから、1週間をかけて少しずつ後れを取り戻してきたユンボ・ヴィスマ。第1週最終日・第9ステージからは、ついにレースリーダーとなる。
文:福光 俊介
福光 俊介
ふくみつしゅんすけ。サイクルライター、コラムニスト。幼少期に目にしたサイクルロードレースに魅せられ、2012年から執筆を開始。ロードのほか、シクロクロス、トラック、MTB、競輪など国内外のレースを幅広く取材する。ブログ「suke's cycling world」では、世界各国のレースやイベントを独自の視点で解説・分析を行う
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