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【Cycle*2023 アークティックレース・オブ・ノルウェー:レビュー】“白夜の太陽”はスティーブン・ウィリアムズを照らす 個人総合争いは1秒差の大接戦
サイクルロードレースレポート by 福光 俊介アークティックレース・オブ・ノルウェー
「チームとしてリーダージャージをキープできれば良いと思っていた。スティーヴィー(ウィリアムズ)の走りは問題なかったし、僕も前日以上に調子が良かった。最後は僕のスプリントで終わらせることで一致し、レースをクローズさせることにしたんだ」(トゥーンス)
ただひとり、最後の最後まで逃げ続けていたワルテル・カルツォーニ(Q36.5プロサイクリングチーム)をフィニッシュ前200mで捕まえた集団は、その流れのまま4ステージ連続の上りスプリントへ。クレマン・シャンプッサン(チーム アルケア・サムシック)が、エイキングやガッツォーリらとの競り合いを制してステージ勝利を挙げたすぐ後ろで、ウィリアムズも走りをまとめて個人総合優勝を確定。トゥーンスのスプリントは決まらなかったものの、リーダージャージを守り切った点でイスラエル・プレミアテックは最終日の走りを遂行させたといえよう。
「15人が逃げてもチームはまったく慌てていなかった。ある程度のタイム差をキープしていれば大丈夫だと思っていたし、今日のフィニッシュも問題なくこなせることは分かっていた。トラブルだけないように集中して走ったよ。無事に終えられて本当に良かった」(ウィリアムズ)
27歳のウィリアムズにとって、ステージレースの個人総合優勝は2021年のクロ・レース以来。ゲラント・トーマス(イネオス・グレナディアーズ)らと同じウェールズ出身で、もともとはサッカー少年だったが膝の怪我をきっかけに16歳で自転車競技に転向した。2019年から4シーズン、バーレーン・ヴィクトリアス(加入時はバーレーン・メリダ)で走り、今季から現チームで走る。もっとも、本来はB&Bホテルズ・KTMに移る予定だったのが、同チームの事実上の解体で行き場をなくした経緯がある。そんな彼を拾ったのがイスラエル・プレミアテック。今季所属30人(中途退団選手を含む)のうち、最後に加わったのが彼だった。そんな“30番目の男”がもたらした大きな勝利。数年でのUCIワールドチーム返り咲きを目指すチームは、ここから上昇気流に乗る。
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