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【Cycle*2023 UCI世界選手権大会 男子エリート 個人タイムトライアル:レビュー】2022年ロードレース世界チャンピオンから2023年個人タイムトライアル世界チャンピオンへ、レムコ・エヴェネプール
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさかフィリッポ・ガンナ
ツール・ド・ワロニーで、そのターリングと揃って総合でもワンツーフィニッシュを果たしたガンナが、スコットランド上陸後に真っ先に向かった先はサー・クリス・ホイ自転車競技場。そこで8月5日にはトラックの団体追い抜きで銀メダル、8月6日には個人追い抜きで金メダルを射止めた。
ただしトラックでは世界選タイトル7つ・五輪タイトル1つを誇るガンナの、今スーパー世界選手権での最大の目標は、タイムトライアル世界王者のタイトルを取り戻すこと。2020年・2021年秋に2連覇を果たしながら、昨季は7位と、納得の行く結果を残せなかった(2週間半後にアワーレコード樹立)。
ガンナはスタートと同時にハイペースを刻んだ。追い風に乗って、第1計測地点では全体のトップタイムも叩き出した。エヴェネプールより4.62秒も速かった。第2計測地点(34.7km地点)から第3計測地点(43.5km地点)でも、やはりエヴェネプールのタイムを1.42秒上回っている。また石畳を含む最終区間も、エヴェネプールに対する損失を1.6秒差に食い止めた。しかし試走後に「かなりテクニカル」と危惧していた第1計測から第2計測までの区間だけで、ガンナは16.72秒も失った。
「かつてないほどいい走りができた。つまりこれ以上速く走るのは不可能だったのさ。銀よりも金が欲しかったけれど、ただ、トラックとロードTTを同時期に走るのは、僕にとっては難しかった」
ちなみに今回の「スーパー」世界選手権の機会に、種目の枠を超えて「スーパー」な活躍を成功させた選手だって存在する。女子ロード世界チャンピオンのロッタ・コペッキーはトラックのポイントレースとエリミネーションで、女子タイムトライアルチャンピオンのクロエ・ダイガートは個人追い抜きで、それぞれアルカンシェルを持ち帰った。また男子ジュニアロード王者アルベール・フィリプセンは、マウンテンバイククロスカントリーでも王者に。
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