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【ジロ・デ・イタリア2023 レースレポート:第15ステージ】ブランドン・マクナルティがグランツール初勝利「沿道のファンがボクを励ましてくれた」 マリア・ローザはアルミライルが守る
サイクルロードレースレポート by 山口 和幸有力選手を含むこのメイン集団はレース中盤ですでに6分の差を第1集団につけられていた。マリア・ローザを獲得するために重要な第3週が始まる前に無理をすることなく、優勝候補を擁するチームは揃ってゴールラインを通過することがこの日の目標だった。
そういった状況の中で、1分41秒遅れの総合2位トーマス、1分43秒遅れの総合3位プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)らが最後の上りでペースアップすると、首位アルミライルは遅れ始めた。
「総合上位を目指す有力選手は、最後の登りで激しくレースをした。ボクは彼らに着いていくにはかなりの無理があることを知っていた。チームエースのティボー・ピノには、ボクが落ちても待たないようにと言っていた」とアルミライル。
「最後の坂でふるい落とされたが、最後まで全力を尽くした。大勢の群衆にあおられて感情に夢中にならないように集中した。あとはダウンヒルしてのフィニッシュなので1分40秒を失う可能性はほとんどないことはわかっていた」
アルミライルは結局ステージ32位でゴール。トーマスら有力選手に33秒詰め寄られたものの、この日はマリア・ローザを守った。ログリッチもトーマスから依然2秒遅れの位置で休息日を迎えることになった。まさに嵐の前の静けさだった。
アルミライルがマリア・ローザを守った
「マリア・ローザ最初の日は特別だった。多くの選手がこの日のボクが置かれた状況を体験したいと思っている。チームメートに守られてなんとかジャージを保持することができた。第3週は非常に複雑になることもわかっている。火曜日以降は、優勝候補の間で大きな戦いがあり、素晴らしい光景が展開されるだろうね」(アルミライル)
山岳賞はエオーロ・コメタのダヴィデ・バイス(イタリア)がトップを守った。ヤング・ライダー賞はUAEチームエミレーツのジョアン・アルメイダ(ポルトガル)で、総合成績でも1分30秒遅れの4位につけている。
バーレーン・ヴィクトリアスの新城幸也は29分44秒遅れの117位でゴール。総合成績は3時間09分02秒遅れの130位。ジョナサン・ミラン(イタリア)のポイント賞1位の座と、チーム成績1位に大きく貢献する走りを続けている。
5月22日は大会2回目の休養日。23日から最終週が再開し、28日にローマでフィナーレを迎える。
文:山口和幸
山口 和幸
ツール・ド・フランス取材歴25年のスポーツジャーナリスト。自転車をはじめ、卓球・陸上・ボート競技などを追い、日刊スポーツ、東京中日スポーツ、Number、Tarzan、YAHOO!ニュースなどで執筆。日本国内で行われる自転車の国際大会では広報を歴任。著書に『シマノ~世界を制した自転車パーツ~堺の町工場が世界標準となるまで』(光文社)。2013年6月18日に講談社現代新書『ツール・ド・フランス』を上梓。青山学院大学文学部フランス文学科卒。
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