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【ジロ・デ・イタリア2023 レースレポート:第14ステージ】総合争いが新たな局面へ!アルミライルがフランス人選手として1999年以来のマリア・ローザ獲得。ステージはニコ・デンツが2勝目を飾る
サイクルロードレースレポート by 山口 和幸ブルーノ・アルミライルがマリア・ローザ
悪天候で我慢のレースが続く第106回ジロ・デ・イタリア。5月20日はスイスのシエルから国境を越えてイタリアに帰国し、カッサーノ・マニャーゴまでの193kmで第14ステージが行われた。
レースはボーラ・ハンスグローエのニコ・デンツ(ドイツ)が少人数のゴール勝負を制し、第12ステージに続く今大会2勝目を挙げた。一方、首位ゲラント・トーマス(英国、イネオス・グレナディアーズ)を含むメイン集団は21分11秒も遅れ、ステージ勝利を目指して先行していたグルパマ・エフデジのブルーノ・アルミライル(フランス)が一躍首位に立った。
総合2位となったトーマスとの差は1分41秒。総合3位プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)は1分43秒。大会中盤で、総合優勝を目指す戦いが新たな局面を迎えたのは確かだ。
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スイスを走る第14ステージ
スタート地点となったシエルはスイスのヴァレー州にあって、味の首都とも呼ばれる。ラクレットチーズとワインが名産。山岳ステージにカテゴライズされていないが、そびえ立つ山々に囲まれたシンプロン峠(パッソ・デル・センピオーネ)が56.6km地点にあり、標高は2004mもある。この峠をパスして20km下るとイタリアに入る。このあたりにはミラノ大聖堂の建設資材として使われたカンドグリア大理石の採石場もある。
このスタート地点のシエルは穏やかな陽光が降り注いだが、天候は次第に悪化。シンプロン峠ではみぞれ混じりの雨になり、選手たちはこの日もレインウエアを着込んでの走りを余儀なくされた。ときおり出現するトンネルがつかの間の骨休めとなるほどだ。
シンプロン峠は1級山岳に指定され、この上りで29選手が第1集団を形成する。この中にデンツとアルミライルも加わっていた。
前日にグルパマ・エフデジのティボー・ピノに山岳賞ジャージを奪われたエオーロ・コメタのダヴィデ・バイス(イタリア)も29選手の中にいた。バイスは1着通過で40ポイントを獲得。この日の山岳ポイントはこの峠だけで、トータルでバイスが144点となり、114点のティボー・ピノを逆転。わずか1日で山岳賞ジャージを奪い返した。
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