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【ジロ・デ・イタリア2023 レースレポート:第7ステージ】大会最初の本格山岳は大差を生かしたダヴィデ・バイスがプロ初勝利 総合争いは強い向かい風により“ノーカウント”
サイクルロードレースレポート by 福光 俊介「とてつもなく困難な戦いに立ち向かっている大事な仲間、アルトゥーロ・グラバロス、この勝利を君にプレゼントするよ!」(バイス)
レムコ・エヴェネプール(右)とプリモシュ・ログリッチ(左)
さて、ステージ優勝争いとは別のレースとなったメイン集団は、最終的にバイスから3分10秒後にフィニッシュへと到達。ステージ4位から30位までが同タイムとなり、総合系ライダーの大多数がこの中に入った。チームDSMの長時間に及ぶ集団コントロールののち、イネオス・グレナディアーズを中心にレースをクローズ。個人総合2位につけるレムコ・エヴェネプール(スーダル・クイックステップ)が最後の最後にスプリントをしてみせたが、プリモシュ・ログリッチ(ユンボ・ヴィスマ)らが追随。マリア・ローザ争いに変動あるかが注目されたが、今回のところは“ノーカン”となった。
「最後の上りは向かい風が強く、誰も攻撃しようとは思わなかったみたい。フィニッシュでのボーナスタイムも得られない状況だったし、みんな無理をするべきではないと判断したのだろうね。僕としてはチームが構築してくれたレース展開に助けられたし、考えていた以上に楽に走らせてもらったよ。コース周りの雪も楽しめた。なにせ僕はノルウェー出身だからね!」(アンドレアス・レックネスン)
レックネスンが掲げる当座の目標「マリア・ローザを第9ステージまで保持」が可能なところまでやってきた。第8ステージでは終盤に急坂を立て続けにこなさないといけないが、大きなトラブルさえなければ今持つリードを脅かされることはないはず。レムコとは28秒、オレリアン・パレパントル(アージェードゥーゼール・シトロエン チーム)とは30秒、以降は1分以上の開きである。
「タイムトライアル(第9ステージ)がこのジャージで走る最終日になるだろうけど、そこまでは今のポジションで走りたい。マリア・ローザを守るという思いが僕の大きなモチベーションだ。明日も難しいステージだけど、うまく走れるんじゃないかな」(レックネスン)
文:福光 俊介
福光 俊介
ふくみつしゅんすけ。サイクルライター、コラムニスト。幼少期に目にしたサイクルロードレースに魅せられ、2012年から執筆を開始。ロードのほか、シクロクロス、トラック、MTB、競輪など国内外のレースを幅広く取材する。ブログ「suke's cycling world」では、世界各国のレースやイベントを独自の視点で解説・分析を行う
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