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【ジロ・デ・イタリア2023 レースレポート:第3ステージ】上れるスプリンターバトル第1弾はマイケル・マシューズが勝利 引退まで考えたここ数週間の苦悩を打破する渾身のペダリング
サイクルロードレースレポート by 福光 俊介感情が先行する中でも、チームメートへの称賛は忘れない。とりわけ、要所で集団統率に力を注いだザナの走りは「スーパーだった」と振り返った。
「私たちのチームにはイタリアチャンピオンがいるんだ。これはすごいことだよね。彼はクライマーなのに、私のサポートまでしてくれるなんて…」(マシューズ)
プロトンきっての「上れるスプリンター」は、これがキャリア40勝目。そのうち28勝がUCIワールドツアーでの白星と、主要レースでの強さが際立っている。今大会は、平坦ステージでも山越えを強いられるコースが多く、マシューズのような脚質の選手には有利だ。悩みを払拭し、走ることだけに集中できるようになった今、勝利量産やマリア・チクラミーノへの望みが大きくなってきたと言えそうだ。
さて、マリア・ローザはというと、レムコが問題なくフィニッシュまで運ぶことに成功。個人総合上位のうち数人が上りで遅れたこともあって、順位が少しだけシャッフル。レムコから総合タイム32秒差でアルメイダが2位、同じく44秒差でログリッチが3位で続いている。
次のステージは、最大勾配10%級の2級山岳を3つ上る丘陵コース。マリア・ローザ着用3日目となるレムコは、ここで一度ジャージを誰かに譲れないかと考えているみたいだ。レースリーダーを務めることはやぶさかではないが、レース後の“日常業務”…つまりはポディウム、インタビュー、プレスカンファレンス、ドーピングコントロールといった作業が、毎晩の回復に大なり小なり影響を及ぼしていると感じ始めている。
「ジャージを保持し続けるかどうかは、レースが始まってから判断するよ。誰が逃げグループに入るかでも変わってくるし、チームや僕自身がステージ優勝が狙える状況になるかもしれない。まぁ、僕が明日バラ色であるかどうかは50:50だね」(レムコ・エヴェネプール)
第4ステージは、グランツールならではの心理戦が見られるかもしれない。
文:福光 俊介
福光 俊介
ふくみつしゅんすけ。サイクルライター、コラムニスト。幼少期に目にしたサイクルロードレースに魅せられ、2012年から執筆を開始。ロードのほか、シクロクロス、トラック、MTB、競輪など国内外のレースを幅広く取材する。ブログ「suke's cycling world」では、世界各国のレースやイベントを独自の視点で解説・分析を行う
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