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【Cycle*2022 ブエルタ・ア・エスパーニャ レースレポート:第17ステージ】残り300mで勝負を決めたウランが全グランツール勝利を達成「希望を失わないようにすること。それが私の人生のモットーだ」
サイクルロードレースレポート by 福光 俊介フィニッシュに向けてペダルを踏むウラン
リーダーチームのクイックステップ・アルファヴィニルがメイン集団の統率を始めると、先頭グループとのタイム差を意図的に広げた。フィニッシュまでの残り距離が80kmを切って、その差は5分。同じく70kmで約7分。残り30kmまでそのタイム差が維持されたこともあり、前を行く選手たちの中からステージ優勝者が出るのは決定的となる。
フィニッシュまで15kmとなったところで、逃げメンバーで最初の仕掛けが生まれた。ローソン・クラドック(チーム バイクエクスチェンジ・ジェイコ)が単独で抜け出すと、後ろに対して約20秒のリードでフィニッシュ地モナステリオ・デ・テントゥディアへの上りに突入。
残り5kmで25秒差としたクラドックだったが、フィニッシュまで3.5kmとなったところで追走メンバーがいよいよスピードアップ。クラドックのひとり逃げは残り1kmで終わると、その200m先でクレマン・シャンプッサン(アージェードゥーゼール・シトロエン チーム)がアタック。さらにはヘスス・エラダ(コフィディス)が今大会2勝目をかけたカウンター攻撃。
これで勝負あったかに思われたが、誰よりも勝ち方を知る男が土壇場で状況を変えてみせた。ウランがエラダに追いつくと、残り300mで渾身のアタック。エラダを振り切ると、今度はカンタン・パシェ(グルパマ・エフデジ)の粘りにあったが、先頭は最後まで譲らず。走り切るのが精いっぱいでウイニングセレブレーションどころではなかったが、一番にテントゥディア修道院前のフィニッシュに到達した。
「逃げメンバーの中で僕が最も個人総合成績が良かった。その責任を果たすために全力を尽くさないといけないと思っていたんだ。一緒に逃げてきた選手たちはみんな強かったけど、残り300mでチャンスがめぐってきたと感じた。“今しかない”とね。キャリアの中でも特別な勝利を手にしたよ。成功の秘訣? 常に信じて戦うことじゃないかな。希望を失わないようにね。それが人生のモットーでもあるんだ」(ウラン)
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