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【Cycle*2022 ブエルタ・ア・エスパーニャ レースレポート:第9ステージ】この世の春を謳歌する23歳エヴェネプール!総合2位以下に1分以上の差をこじあけ「ぼくは人生ですでにたくさんのことを乗り越えてきた」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか「これまで2回の山頂フィニッシュでは、僕は総合エースたちについていけるだけの速さがなかった。だから、この方法で成績が出せないなら、最善策は逃げに乗ることだと考えた。今日は完璧に上手く行った。かなり幸運でもあった。チームはスタート直後から制御に動き、僕自身はたった1度のトライで、良い逃げに乗ることができた」(メインチェス)
ちなみにヴァインは前方の逃げ集団に、チームメート2人をきっちり送り込んだ。つまり前方ではロバート・スタナードとジミー・ヤンセンスが、コース上に5つ点在する山岳のうち序盤4つで、着実に山頂ワンツー通過を成し遂げた。おかげでソレルにポイントを取らせなかっただけでなく、アルペシン・ドゥクーニンクが山岳賞の1位から3位までを独占した。またヴァインは今ステージで大きくタイムを失い、総合では19分46秒遅れに後退したから……この先クイックステップに追いかけられる心配はないかもしれない。
「イージー」な逃げを先に行かせて、後方でレースを運ぶのが理想的。そうスタート前に語っていたエヴェネプールにとって、パーフェクトな状況が出来上がった。総合3分18秒遅れのテイメン・アレンスマンはたしかに要注意人物だったが……、飛び出した直後にチームの指示で後退した。また8分28秒遅れのメインチェスは、レムコ親衛隊にとって直近の危険ではなかった。9人の逃げには最大5分半のリードを与え、ウルフパックはただ黙々と集団制御に務めた。
「チームは完璧な仕事をしてくれた。真の紳士として、またしても責任を果たしてくれた。本当にチームの仕事に感銘を受けている。みんなが僕のために心を尽くして仕事をしてくれる姿に、ちょっと感動させられたほどだ」(エヴェネプール)
道の果てには3.9kmの壁が待ち構えていた。いまだ3分半の余裕を残していた逃げ集団からは、ヤンセンスとサムエーレ・バティステッラが真っ先に飛び込んだ。しかし、平均13%弱というひどい激勾配で、両者の勢いはあっという間に減退した。しかも後方からはメインチェスが、じわじわと距離を縮めてきた。
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