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【Cycle*2022 パリ~ニース:プレビュー】欧州でのワールドツアーステージレース第一弾「太陽へと向かう」レース!8日間のレースは、真のオールダウンダーを選び出す。
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか前回大会2度の落車で総合優勝を逃したログリッチ
灰色の空から逃れるように、プロトンは南を目指す。日を重ねるごとに、気温は和らぎ、ステージが進むに連れ、花芽は膨らんでいく。「太陽へと向かう」レースが、今年も、自転車界に春を連れてくる。
1月末から欧州各地や中東で足慣らしを続けてきた選手やチームにとって、いよいよ「本番」がやってきた。なにしろ3月6日(日)に開幕するパリ〜ニースこそ、欧州でのワールドツアーステージレース第一弾。しかも伝統的に「ミニ・ツール・ド・フランス」と呼ばれる8日間のレースは、真のオールダウンダーを選び出す。隣国で同時期に行われるティレーノ〜アドリアティコと並んで、その年のグランツール勢力図を占う重要な材料となる。
ただし序盤3日間はいわゆるスプリンター向け。だからこそファビオ・ヤコブセン、サム・ベネット、ディラン・フルーネウェーヘンといった「ピュア」度の高いスプリンターはもちろん、ワウト・ファンアールト、ソンニ・コルブレッリ、マッテオ・トレンティン、ブライアン・コカール、マッズ・ピーダスン、ビニヤム・ギルマイ……と上れるし悪路もこなせる俊足たちが、スタートラインにこぞって集結する。
パリの西郊外から走り出す初日は、決して単純ではない。マント・ラ・ヴィルを中心に大小2つの周回をこなし、フィニッシュ手前約6kmには小さな急坂が待ち受ける。また2日目は「強風の通り道」ボース平原を南下するし、3日目は後半アップダウン含みに加えて、フィニッシュはかなりの上り基調。総合を狙う者たちも、中切れや横風分断には最大限に警戒せねばならない。
総合を巡る争いは、いよいよ4日目から本格化する。とは言えこの日の個人タイムトライアルは、距離は13.4kmと極めて短い。しかもラスト700mは勾配8.6%の急坂。つまりクライマーたちが大きくタイムを失う危険性はなく、パリ〜ニースの魅力のひとつである「僅差を巡る争い」を揺るがすこともなさそうだ。ちなみに過去10大会の、総合首位と2位の平均タイム差は19秒。最大が2013年の55秒で、最小は2017年の2秒だった。
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