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【Cycle*2022 ツール・ド・ラ・プロヴァンス:レビュー】世界王者たちが競り合った濃厚な4日間 キンタナが19個目のタイトル獲得
サイクルロードレースレポート by 辻 啓タイムトライアル、平坦横風高速ステージ、丘陵登りスプリント、本格山岳フィニッシュという、ステージレースの要素を詰め込んだツール・ド・ラ・プロヴァンスが終わった。開催期間はたった4日間だが、毎日活躍する選手が異なり、毎日サプライズが起こる、これほどまでに濃度の高いステージレースを他に知らない。
存在感を見せたクイックステップ・アルファヴィニルとイネオス・グレナディアーズ
現在ヨーロッパでは様々な新型コロナウイルス対策が施された上でレースが開催されている。開催状況はほぼパンデミック前に戻っているが、それでもやはりウイルス蔓延の影響はレースに出てしまう。今大会の中で最も影響を受けたのが、クイックステップ・アルファヴィニルとイネオス・グレナディアーズという二大チームだった。前者は、クラシックシーズンに向けてここプロヴァンスでシーズンインする予定だったカスパー・アスグリーンと、1年前に開幕ステージ2連勝を飾ったダヴィデ・バッレリーニの陽性が開幕直前に発覚したため、他チームより2人少ない5人での出走に。後者は順調に総合優勝に向けて駒を進めていたリチャル・カラパスが大会期間中に陽性となったため総合エースを失う事態に見舞われた。
それでもなお主役はクイックステップとイネオスだった。まずはタイムトライアル世界選手権2連覇中の「トップガンナ」ことフィリッポ・ガンナが初日のプロローグ(短距離個人タイムトライアル)で圧勝。平均スピード52.81km/hという猛烈なスピードで7.1kmコースを駆け抜け、チームメイトのイーサン・ヘイターとともにイネオスにワンツー勝利をもたらす。
さらに横風集団分断作戦が実行された平均スピード46km/h超の第1ステージで、イネオスはエリア・ヴィヴィアーニを集団スプリントに導いてステージ2連勝。カラパスの新型コロナウイルス陽性リタイアまで、大会前半戦のイネオスは順風満帆、波に乗っていた。
大会後半戦に入ると、主役の座はクイックステップに移る。数週間前の体調不良によりトレーニングキャンプをパスし、「100%の状態ではない」と語っていたロード世界王者ジュリアン・アラフィリップが前年度の総合2位からジャンプアップを狙って攻撃体制に。第2ステージの登りスプリントこそコフィディスのブライアン・コカールに及ばなかったが、ガンナから2秒遅れの総合2位というポールポジションにつけた状態で最終日の1級山岳モンターニュ・ド・リュール(全長13.4km/平均勾配6.74%)に挑むことになった。
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