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【Cycle*2021 パリ~トゥール:プレビュー】新たな属性を得てから4年目。ぶどう畑を縫うように走る土の小道が、秋のプロトンを待ち構える!
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか一方で坂道は、地形だけ見れば、いずれも100m前後とごくごく短い。あくまでもスプリンターズクラシックの域は越えない。ただし上りの前後には、必ずと言っていいほど、未舗装路が現れる。なにより1番目の上りは、1番目のぶどう畑の小道の入り口でもあるのだ!
その第9セクター、ラ・グロス・ピエールは、しかも1500mと長い。途中にはうねるようなカーブが潜む。一気に集団は小さくなるに違いない。過去3度のグラベル大戦のうち、2019年大会を勝ち取ったイエール・ワライスは、いきなりここで独走態勢に持ち込んでいる。
昨大会で一騎打ちを演じたカスパー・ピーダスンとブノワ・コスヌフロワ
第6ノワゼー以降は、未舗装路が細かい間隔で登場する。雨に見舞われた昨大会は、立て続けに襲いかかる泥と坂が、優勝争いをカスパー・ピーダスンとブノワ・コスヌフロワの2人に絞り込んだ。また第3ラ・ソリダリテは1500mの直線で、抜け出すとすぐに第2プー・モルリエ1600mへと突っ込まねばならない。
そして残り13kmで最後の未舗装路、第1ロシュコルボン800mを抜け出し、残り10kmで最後の登坂を終えたら、残すは平坦なアスファルト路。2018年のグラベル初登場時は、セーアン・クラーウアナスンが、ラスト11kmを単独で駆け抜けた。
かつて数々の集団スプリントを受け入れてきた伝統のグラモン通りは、つまりこの3年間で、独走2回、一騎打ち1回を見届けてきたことになる。そのうち2回、勝者を輩出したのがチームDSMで、2021年もクラーウアナスンとピーダスンを擁して勝利を狙う。
新旧コースをいずれも勝ち取った唯一の選手であるワライスは、残念ながら今回は欠席。体調不良、さらには2年前の落車事故で痛めた歯の治療等で、ツールを最後にレースから遠ざかっている。代わりにコフィディスはクリストフ・ラポルトがエースを張る。泥のルーベで、メカトラに襲われながらも6位入賞と、脚の調子はすこぶる良い。
旧パリ〜トゥールを制したグレッグ・ファンアーヴェルマートとフィリップ・ジルベールは、新コースを攻略するために乗り込む。もはやピュアスプリンター向きではないとは言え……アルノー・デマールやディラン・フルーネウェーヘン、ヤスパー・フィリプセンやパスカル・アッカーマン、さらにはナセル・ブアニと、俊足たちもやって来る。
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