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【ブエルタ・ア・エスパーニャ2021 レースレポート:第6ステージ】誰もが驚嘆させられる強さを証明したマグナス・コルトをログリッチも称賛「彼こそ勝利に値する」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさかライバルを置き去りにするマグナス・コルト
ピュアスプリンターの祭典、マドリード最終日フィニッシュを制してから5年。オールラウンダーにクライマー、パンチャー、さらには上れるスプリンター……の猛烈な追い上げを振り切って、マグナス・コルトが激坂のてっぺんまで逃げ切った。ひたすら安全に走り終えることだけを心掛けたはずのプリモシュ・ログリッチは、危険回避ついでにライバルチームの猛攻をさらりと躱した。3日前に手放したばかりのマイヨ・ロホをも、あっさり取り戻した。
「スペシャルだよ。だってまるで違う方法だもんね。ここまでの勝利は常に集団スプリントだった。僕があらゆる地形で、しかも今日のような上りフィニッシュでも逃げに乗って勝てるのだということを、証明することができて嬉しい」(コルト)
悪夢のような巨大な集団落車の翌日、幸いにも、すべての選手がスタートラインに並んだ。総合争いから完全に脱落したロマン・バルデは「膝の腱を痛めたけど、希望的観測を抱いてる。まだブエルタは始まったばかりだ」と前を向き、一番に地面に転がり落ちたマッズ・ウルスシュミットも「幸いにも怪我は上半身だけ。脚は無事だからペダルはこげる」と続行を宣言した。右腕全体を包帯で覆い、休息日までは生き残りモードでゆっくり行くつもりのデンマークチャンピオンにとって、なにより悔やまれるのは、この第6ステージは「逃げ切りが決まる可能性が高い」こと。
だからこそスタート直後から熾烈なアタック合戦が繰り広げられた。約1時間の奮闘の果てに、43km地点、まんまとジョアン・ボウとライアン・ギボンズが抜け出した。プロトンの監視をかいくぐり、さらにイェツセ・ボル、ベアトヤン・リンデマン、そしてマグヌス・コルトも前へと突き進む。そして走り出してから50km、ついに5人の逃げ集団が出来上がった。
メイン集団の統制役はトレック・セガフレードが引き受けた。たとえ理想的な形で手にしたものではなかったといえ、生まれて初めてのマイヨ・ロホをまとうケニー・エリッソンドのために、隊列を組み上げた。淡々としたリズムが刻まれたおかげで、多くのチームにとっては、ほんの一息つける時でもあった。逃げ集団には最大7分のタイム差を与えた。
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