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【クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ 第2ステージ:レビュー】大会序盤2ステージに賭けていたペストルベルガー「ステージ優勝とマイヨジョーヌはキャリアにおける大成功の1つだ」
サイクルロードレースレポート by 福光 俊介ペストルベルガーといえば、2017年のジロ・デ・イタリア第1ステージでの逃げ切りを思い浮かべる人も多いはず。集団の混乱に乗じて、リードアウトから切り替えて猛進したあの逃走劇。マリア・ローザを着られたのは1日だけだったが、それでもキャリアを激変させるには十分なインパクトだった。
だけど、4年たった今、ドーフィネでのステージ優勝と同時に手に入れたマイヨ・ジョーヌに胸がいっぱいだ。あの時のマリアローザと比較することは確かにナンセンスかもしれないが、何より狙ったステージでしっかりと結果を出して、なおかつ誰もが憧れるイエローのスペシャルジャージに袖を通せるのだから、喜びは何倍にも跳ね上がる。
単独で逃げるペストルベルガー
「ステージ優勝できて最高の気分。それに、マイヨ・ジョーヌまで着られるなんて本当に信じられない気分。これはキャリアにおける大成功の1つに数えられると思う」(ルーカス・ペストルベルガー)
プロトン内ではすっかり知られた存在だし、力を考えれば数日間マイヨ・ジョーヌを着続けることも大いに考えられる。大成功の余韻に一晩浸ったら、レースリーダーとしての責任をまっとうする日々が始まる。
一方、2日連続で逃げに行かれてしまったメイン集団。両日に共通したのは、重要な局面で意思統一が図られなかったところだ。ソンニ・コルブレッリで勝ちたかったバーレーン・ヴィクトリアスは、レース中何度か集団の主導権を握っていながら、気が付くとその座を他チームに奪われてしまっていた。結局、コルブレッリは2日連続で2位。ポイント賞で首位に立ち、マイヨ・ヴェールに袖を通したことがせめてもの救いだ。
「今日に関しては逃げ切ったペストルベルガーが本当に強かった。2日連続の2位…まぁこれもまたサイクリングの1つということだね」(ソンニ・コルブレッリ)
もちろん、ドーフィネがそう易々と攻略させてくれるようなレースでないことは分かっている。それでも結果へ躍起になるコルブレッリ。2日分の雪辱を期して、第3ステージに臨む決意だ。
その第3ステージは、カテゴリー山岳を前半に片づけて、後半は下りと平坦基調へと移っていく172km。フィニッシュ前は約2.5kmの上り基調だが、今大会に臨んでいるスピードマンたちであれば十分に攻略は可能。ただ、セオリーを崩す要素があるとすれば、天気や風、そして…集団内での意思疎通がいかにして図られるか。あまりまごついているようだと、3日続けて逃げが決まることだってあり得る。
文:福光俊介
福光 俊介
ふくみつしゅんすけ。サイクルライター、コラムニスト。幼少期に目にしたサイクルロードレースに魅せられ、2012年から執筆を開始。ロードのほか、シクロクロス、トラック、MTB、競輪など国内外のレースを幅広く取材する。ブログ「suke's cycling world」では、世界各国のレースやイベントを独自の視点で解説・分析を行う
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