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サイクル ロードレース コラム 2012年8月26日

ブエルタ・ア・エスパーニャ2012 第8ステージ

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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「4人がこうして接戦を繰り広げるおかげで、すごくエキサイティングなレースになってるよね!この先の2週間、果たしてどうなっていくのか、まるで分からない状態だ」(クリス・フルーム)

スペイン人が3人、英国人が1人。その調和を、ラスト900mでまっさきに乱したのはフルームだった。沿道に詰め掛けた熱狂的なファンをかき分けて、猫背気味で前上方へと突進する。続く800mでは、コンタドールが――この日はここまで自らイニシアチヴを決して取らなかったコンタドールが――、はねるような軽やかなダンシングスタイルでアタックを打った。

「実はそれほど絶好調というわけではなかったんだ。でも、いいパンチ力を発揮できたね」(アルベルト・コンタドール)

伸びのある加速は、3人の仲間を一気に置き去りにしてしまった。とくにフルームは、完全に脚が止まってしまう。フルームが加速し、コンタドールが脚の痙攣でストップ……という2日前とは状況が完全に逆転してしまった。一方のロドリゲスとバルベルデと言えば?

「『プリト』がこの山のことを知り尽くしていることを、十分に理解していたんだよ。だから、ロドリゲスの後ろで様子をじっとうかがった。そしてロドリゲスの加速に、ボクも張り付いた」(アレハンドロ・バルベルデ)

完全なる独走態勢に入ったコンタドールが、胸元からいよいよピストルを出そうかという、そのときだった。3年前まで同じチームでリーダーとアシストという関係にあったバルベルデとロドリゲスが、まるで2本の弓矢のように山頂フィニッシュへと向かって飛びだしてきた!そして、ゴールラインまであとわずか10m。……ギリギリの地点で、エル・ピストレロの「復活勝利」の希望を奪い去ってしまった。

「最後の数メートルは、力が足りなかった。実のところ、バルベルデが追いついてくるのは見えていたんだ。でもボクはフルームの動きだけに警戒を払って、集中し続けた。だってフルームを突き放したいと願っていたから。だから結果には満足しているんだ。それに、想像していたよりもタイム差をつけられた」(アルベルト・コンタドール)

つまりバルベルデは今大会2度目の山頂フィニッシュ勝利をつかみとり(ボーナスタイム12秒)、ロドリゲスは2位ゴールでボーナスタイム8秒を手に入れた。足元をすくわれたコンタドールは、2人と同タイムの3位ゴール。ボーナスタイムは4秒に留まった。そして4人目のフルームは、トリオから15秒遅れて山頂へとたどり着いた。

「スペシャルな日になった。マイヨ・ロホを身にまとって、大勢の観客の前で、この山を登ることができたんだから。ボクの自転車人生の中でも、指折りの素晴らしい1日だったよ。思い切り満喫できた」(ホアキン・ロドリゲス)

生活の拠点を置くアンドラ公国で、ロドリゲスはリーダージャージを守り切った。しかも翌第9ステージでは、そのステキな衣装で、生まれ故郷のバルセロナへと凱旋を果たす。2位のフルームは33秒差に後退。コンタドールは3位40秒差。そして一時は総合9位まで後退したバルベルデは、50秒差の4位へと見事に這い上がった。

宮本あさか

宮本 あさか

みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。

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