人気ランキング

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

コラム&ブログ一覧

サイクル ロードレース コラム 2014年8月26日

ブエルタ・ア・エスパーニャ2014 第3ステージ レースレポート

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
  • Line

リーダージャージを守るモヴィスターは、オリカ隊列の後ろで静かな午後を過ごしていたはずだった。ところが、とてつもない失態も犯した。補給が許可されているのは、通常、ゴール前20kmまで。だから、その20kmのアーチの手前で、沿道にスタッフが立っていた。道路右端を走る選手に、サコッシュを手渡すためだったのだが、受け渡しにしくじった。アドリアーノ・マローリ、初日マイヨ・ロホのヨナタン・カストロビエホ、マイヨ・ロホ姿のアレハンドロ・バルベルデが地面に転がり落ちた!幸いにもバルベルデは「ちょっと背中が痛い」(チーム公式HPより)程度で済んだようだが……。

グランツールを10大会連続完走し、11大会目に挑戦中のアダム・ハンセンのアタックを合図に、ゴール前13km、オリカ以外のチームも戦闘を開始した。カチューシャが引き、ジャイアント・シマノが隊列を組み、オメガファルマ・クイックステップも猛烈な加速を行った。アンダルシアの白い村へと続く坂道で、ラスト2km、先頭を奪い取ったのは「上れるスプリンター」ジョン・デゲンコルブを擁するジャイアント・シマノだった。

しかし、「プロトン屈指の激坂ハンター」ホアキン・ロドリゲス率いるカチューシャが、ゴール前1.1kmで先頭を取り戻した。ラスト800mではジャンパオロ・カルーゾが強烈な一発を繰り出し、他チームを霍乱する作戦に出た。猛然と後を追ったのが、ダニエル・マーティンだ。2013年リエージュ〜バストーニュ〜リエージュで上りフィニッシュを制した「ヒルクライマー」は前方へと駆け上がると、ラスト300mでカルーゾをひらりと抜き去った。そのスリップストリームを、マシューズは、巧みに利用した。

この春のジロでは、マーティンは雨のベルファストで地面に滑り落ち、即時リタイアを余儀なくされた。マシューズとオリカ・グリーンエッジの仲間たちは、チームタイムトライアルの勝利に歓喜した。雨の第6ステージでプロトンのほぼ全員がドミノ倒しにあい、肋骨1本と手首を骨折したロドリゲスは、その夜に大会を離れた。マシューズは奇跡的に難を逃れた12人のうちの1人で、マリア・ローザ姿で2級山岳を駆け上がり、ピンク色の区間勝利をさらい取った。

良く晴れた南スペインで、この日もマシューズがキラキラと輝いた。昨ブエルタの区間2勝に続く、輝かしい勝利だった。ただし、マシューズもまた、今大会に「復活」をかける1人だった。ジロでは第9ステージに落車し、第11ステージ朝に大会を離れた。ツールが始まる4日前、トレーニング中にひどい落車をした。ぐるぐる巻きの包帯姿でチームプレゼンテーションに参加しながらも、開幕前日に出場を泣く泣くキャンセルした。

「もっと強くなって帰ってくる、そう固く信じて、一生懸命ハードな練習を続けてきた。今日はチームメートのために勝てたことが、とにかく嬉しい。チーム全体がひたすら自分のために身を粉にしてくれて、そして勝つことが出来たんだから、なおのこと素敵な勝利だよ。最後の上りはひどく厳しかった。でもチームが、僕を完璧なポジションへと連れて行ってくれた。そこから先は、僕の番だった。みんなのために計画を遂行しなきゃならなかった。飛び出して、強く願いながら、勝利を取りにいった」(マシューズ、大会公式記者会見より)

  • Line

あわせて読みたい

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

ジャンル一覧

J SPORTSで
サイクル ロードレースを応援しよう!

サイクル ロードレースの放送・配信ページへ