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【ツール・ド・ラ・プロヴァンス:プレビュー】ベルナルやアラフィリップら豪華メンバー集結!プロヴァンスの巨人《モン・ヴァントゥ》に挑む
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか7月の本番の目玉は「山頂まで二重登坂」だが、今大会は最終登坂1度だけ。しかも登坂距離は6km短く、標高が約480m低いレナール小屋でフィニッシュを向かえる。そうは言っても強風で有名なこの山に、しかも真冬に、標高1431m地点まで登るのは簡単なことではない。実は昨大会3日目でもほぼ同じ行程を走ったが、1年前は素晴らしい好天に恵まれ、大半の選手が半袖ジャージで走った。気になる今年は、日中でも気温は摂氏0度程度までしか上がらないとの予報だ。
おそらく第3ステージの結果が総合を左右する。それでも初日のスタート時から、選手たちは決して気を緩めてはならない。なにしろマルセイユ郊外のオバーニュを走り出した瞬間に、1級峠登坂が始まるのだから。その後も3つの3級峠が繰り返し襲いかかる。第2ステージも細かい起伏に選手たちは脚を痛めつけられる。フィニッシュはどうやら上り坂だ。
最終日アヴィニヨン〜サロン・ド・プロヴァンスは、地形的だけ見ればようやく平坦なスプリンター向き。ただし、もしもミストラル(地方風)が吹き荒れた場合は、果たして平和にレースが進行されるかどうかは定かではない。
エガン・ベルナル
ところで今シーズンここまでのワールドチーム参加レースは、すべてがフランスで開催されている。現在ロックダウンは行われておらず、国内移動は基本的に自由。ただし18時以降は外出制限措置が布かれている。幸いにも選手たちは、たとえフィニッシュ時間が遅くなったとしても……外出申告書と就労証明書をしっかりと携帯していさえすれば「職場から自宅(レースから宿泊先)」の移動は許される。最終日に欧州他国の自宅に帰る場合は、これに加えてPCR検査の陰性証明も必要だ。国によってはもしかしたら自主隔離が必要となるかもしれない。
一方でフランスから欧州「外」への出国は、今現在、特別な理由がない限り認められていない。単なる「帰宅」さえも許されない。ただプロスポーツ選手がハイレベルな競技会に出場する場合だけは例外で、もしも2月21日からUAEツアー(ワールドツアー)に出場する場合は、職業証明書と開催委員会からのレターの提示でヨーロッパを離れることができる。
こんな少々不自由なレース活動は、この先もまだしばらくは続くのだろう。それでも2021年自転車ロードレースシーズンが無事に始まり、多くの選手たちが走り出せたことは、朗報以外のなにものでもない。
文:宮本あさか
宮本 あさか
みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。
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