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サイクル ロードレース コラム 2015年8月24日

【ブエルタ・ア・エスパーニャ2015】第2ステージレースレポート

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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ニーバリの合流と前後して、エスケープの残党も、ついには集団に吸収された。最終3級峠へ突入すると同時に、シリル・ゴチエがアタックの口火を切るも、これもまた、本格的な戦いの前菜に過ぎなかった。

ゴール前3km、ナイロ・キンタナが大きく加速した。ゴチエはあえなく前から引き摺り下ろされた。ツール総合2位の大きな一発に、すぐに同調したのはトム・デュムラン、ニコラス・ロッシュ、ルイ・メインティスの3人だけだった。

「ナイロたちが行ってしまった後、ほんの少し、僕も行くべきかどうかためらった。でももう少し待つことに決めた。そしてゴール前2kmで、彼らを捕らえることができたんだ」(チャベス、公式記者会見より)

追いついただけでなく、チャベスはすぐさま先頭を奪って、高速でテンポを刻み始めた。メインティスが真っ先に振り払われた。さらにしばらく行くと、なんとキンタナが脱落した!

本人によれば「暑さにやられた」(チーム公式HPより)そうだが、元コロンビアのチームメートであるチャベスは、「何が起こったのかは分からない。でも誰にでもありえることだし、いずれにせよナイロは素晴らしい選手だ」(公式記者会見より)と小さく援護した。2010年にキンタナが制した「若手登竜門」ツール・ド・ラヴニールを、翌年2011年に勝ち取り、将来を大きく期待されてきた。キンタナがツール総合2位に輝いた2013年は、春先の落車による頭蓋骨折や腕神経叢損傷でまるまる1シーズンを棒に振った。そんなチャベスは、実は人生においてはキンタナよりわずか18日だけど先輩で……。

細身のヒルクライマーは、キンタナ脱落後も決してリズムを緩めることはなかった。ラスト500mでロッシュが絶望的な加速を試みると、クールに引き離した。フィニッシュ直前にデュムランがぎりぎりのスプリントを仕掛けると、余裕で退けた。生まれて初めてのグランツール区間勝利を、アンダルシアの岩山で、力強く掴み取った。

「素敵な気分だよ。人生における最も大切な勝利だ。だって初めてのブエルタ区間勝利で、マイヨ・ロホまで手に入れられたんだから……。うん、おかげで、明日からは新しい目標ができた。つまりできる限り長くリーダージャージを守り続けること」(チャベス、公式記者会見より)

区間1位のボーナスタイム10秒を手に入れたおかげで、2位デュムランに対する総合リードは5秒(区間タイム差は1秒)、3位ロッシュとの差は15秒。第3ステージはステージ中盤とはいえ、新城選手に言わせると「トゥルマレ並み」の1級峠が立ちはだかっているから、大いに警戒していきたいところ。

キンタナは26秒後に、ホアキン・ロドリゲスと並んでフィニッシュ(総合では36秒遅れ)。フルームはこの2人から4秒、バルベルデは5秒を、わずかながらも落とした。またニーバリを失ったアスタナのアルは11秒、ランダは15秒遅れ。ティージェイ・ヴァンガーデレンは、キンタナ&プリトから19秒の遅れを喫している。

宮本あさか

宮本 あさか

みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。

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