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サイクル ロードレース コラム 2017年6月30日

【ツールに恋して~珠玉のストーリー21選~】日本自転車界を牽引する男、新城幸也の矜持

ツールに恋して~珠玉のストーリー21選~ by 山口 和幸
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大会10日目に設定された最初の休息日に、新城に疲労の色とあせりが感じられた。発言にも追い詰められた者の焦燥感があった。

「完走とステージ勝利のどちらを取るかといわれたら、迷わずにステージを取る。だから優勝できたら翌日にリタイアしてもいい!」

こうして新城は、別府史之とともに日本勢初の完走を遂げることになるが、「3週間のレースを完走できてよかったとは思うが、積極的な動きをすることができず、悔しい気持ちも強い」というのが本音だった。

「3週間は長くてツラいだろうなあと思いこみすぎていたのか。実際のところはいつものレースと同じで、あっという間だった。走り続けてきたので、明日もレースがある感じ。レース終了後にシャンゼリゼをパレードして、ようやくこの大会が終わったことを実感した」

新城がツール・ド・フランスに寄せる思いは人一倍強い。2012年には第4ステージで敢闘賞、2016年の第6ステージで敢闘賞。そして2017年も日本勢初のステージ優勝を目指す。

代替画像

山口 和幸

ツール・ド・フランス取材歴25年のスポーツジャーナリスト。自転車をはじめ、卓球・陸上・ボート競技などを追い、日刊スポーツ、東京中日スポーツ、Number、Tarzan、YAHOO!ニュースなどで執筆。日本国内で行われる自転車の国際大会では広報を歴任。著書に『シマノ~世界を制した自転車パーツ~堺の町工場が世界標準となるまで』(光文社)。2013年6月18日に講談社現代新書『ツール・ド・フランス』を上梓。青山学院大学文学部フランス文学科卒。

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