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ただし平地における逃げの運命は、始まる前からほぼ決まっているようなもの。スプリントチームが追走をしかけ、ステージ終盤、じわじわと差は詰まっていく。ミナールトの努力は、残り11kmで非情にも打ち止めとなった。
初めてのツールで、第6ステージに続く2度目のエスケープに乗ったグルリエは、最後まで抵抗を止めなかった。2日前もミュール・ド・ブルターニュで粘ったように、持てる力を全て尽くした。ついにはフィニッシュまで6.5kmを残してプロトンに飲み込まれたが、ステージの終わりには敢闘賞の赤いゼッケンを手に入れた。おかげでフランスのナショナルデーに、ツールの表彰台に上った唯一のフランス人となった。
2人の逃げが吸収される前に、早くも混乱がプロトンを襲った。残り17.5km地点で、巨大な集団落車が発生し、多くの選手が地面に転がり落ちた。マイヨ・ア・ポワ姿のトームス・スクウィンシュ、9秒差で総合4位につけるジュリアン・アラフィリップ、なにより第6ステージ区間覇者のダニエル・マーティンが犠牲となった。
「僕らの前でブレーキがかかった。そして誰かが横に動き、僕の前輪をひっかけた。僕にできることなど何もなかった」(マーティン、チーム公式リリースより)
ジャージはボロボロになり、左ひじから流血しながらも、マーティンはすぐに走り始めた。昨大会を総合6位で終え、今年は総合表彰台を狙う絶対唯一のチームリーダーのために、アシストたちも全員集結して集団を追った。しかしプロトンの走行速度は極限まで上がり切った後で、もはやその尻尾を捕まえることなど不可能だった。フィニッシュラインには区間勝者から……、つまりはあらゆる総合ライバルから、1分16秒遅れでたどり着いた。
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