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バスケット ボール コラム 2022年12月27日

【福岡第一】昨年のリベンジを果たして準決勝進出。轟のファウルトラブルで陥りかけた苦境を救ったのはこの夏に世界を経験した崎濱秀斗 | ウインターカップ2022

ウインターカップコラム by 青木 崇
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福岡第一高等学校 17 崎濱 秀斗

福岡第一高等学校 17 崎濱 秀斗

昨年の準決勝で負けた帝京長岡が相手ということもあり、福岡第一の司令塔である轟琉維は、試合開始早々からエンジン全開。

「轟の思いが強すぎて、“僕が、僕が”とやっちゃいましたね。いい面もありましたけど」と井手口孝コーチの言葉を象徴していたのは、チームが2Q序盤で9連続得点を奪った時間帯にスティールを決めてからレイアップでのフィニッシュが2度あったシーンだった。轟が前半だけで10点を奪う活躍もあり、福岡第一は最大で15点のリードを奪うなど、試合の主導権を握ることに成功する。

コネ・ボウゴウジィ・ディット・ハメードが前半で3ファウルになりながらも粘り強く戦い続ける帝京長岡は、3Qになって徐々に持ち味を発揮し始める。堀田弘也の3Pや佐藤拓海のドライブやティップインなど、10−2のランで徐々に点差を詰めていく。3Q残り1分50秒に轟が3ファウルでベンチに下がったことは、帝京長岡にとって絶好のチャンスが到来したと思われた。

福岡第一にとっては今大会初めて直面した苦難だったが、悪い流れを断ち切ったのは2年生の崎濱秀斗だ。5点差にされた直後のオフェンスでは、アグレッシブなドライブからフィニッシュ。小田健太のオフェンシブ・リバウンドを奪った後のセカンドチャンスでは、城戸賢心のアシストで左ウイングから3Pショットを成功させた。崎濱が決めた2本は、52対42とリードを再び2ケタに戻しただけでなく、帝京長岡の追撃を断ち切るうえで大きな意味があった。

「崎濱に今日は頼ってしまう試合になってしまったので、感謝したいなと思います」とは、試合後の轟。このウインターカップはスロースタートを切ってしまった崎濱だったが、3回戦の美濃加茂戦で16点と復調。帝京長岡戦もドライブからのジャンプショット、スティールからのレイアップでリズムを掴み、終わってみれば轟の19点に続く17点を奪った。また、5アシスト、5スティールという数字を見れば、攻防両面で福岡第一の勝利に貢献したのは明らかである。

「琉維さんが帝京長岡さんから強いディフェンスを受けるというのは、チームとしてわかっていたので、そこで自分の仕事ができるかできないかだったので、今日はそこがうまくできてよかったです。チームに何かいい影響をもたらそうという気持ちで、毎回試合に臨んでいます。でも、今日は入りが硬かったので、琉維さんが自分に“思い切りいつも通りやれ”と言ってくれたので、自分自身も落ち着くことができました」

試合をこう振り返った崎濱は、この夏にU17代表としてワールドカップを経験。220cmの選手がいるスペインと対戦したこともあり、コネのような高さのある選手に対しても果敢にアタックすることへの躊躇がない。178cmと決して大きな身長ではないものの、身体能力の高さとフィジカルの強さを兼備している崎濱について、井手口コーチは「コネ君の頭の上からダンクするくらいの力があると思ったんですけどね…。それくらいできるパフォーマンスを持っているので、どこかでやってくれるといいなと思います」と評価していることからも、準決勝の中部大第一戦でも活躍が期待できそうだ。

ファイナルスコアは68対53。「コネ君を意識しましたし、それから外回りの選手もみんな力があるから、ディフェンスにしろ、シュートにしろ。守りがすごくナーバスになった分、オフェンスがちょっと重たくなったかなと思います」と井手口コーチが振り返ったように、ターンオーバーを誘発させた後の展開を除くと、持ち味のトランジションゲームになかなか持ち込めなかった。しかし、帝京長岡のFG成功率を31.5%に限定させた厳しいディフェンスと、崎濱のステップアップによって、福岡第一はウインターカップの王座奪回まであと2勝に迫った。

文:青木崇

青木 崇

青木 崇

NBA専門誌「HOOP」の編集者からフリーのバスケットボールライターとなる。NBAファイナル、NCAAファイナル4、世界選手権などビッグイベントの取材や執筆活動を行なっている。

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