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野球 コラム 2024年10月29日

王手をかけたドジャースはブルペンデー、ヤンキースはシリーズ初出場で四球の多い若手投手が先発。ワールドシリーズ第4戦

MLBコラム by J SPORTS 編集部
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ヤンキースvs.ドジャース

手負いの大谷翔平による四球と、フレディ・フリーマンによるMLB史上2人目のワールドシリーズ5試合連続本塁打で幕を開けた、ヤンキースタジアムでの第3戦。

要所での打棒の生産性に加え、先発して5回無失点と快投したウォーカー・ビューラーを含めた投手力と継投策、そして随所でビッグプレーが出た守備陣など総合的にヤンキースを上回ったドジャースが4-2で勝利し、シリーズ3勝0敗としてスイープでの世界制覇へ王手をかけた。

『MLB.com』は試合後に掲載した速報記事の中で、「ベスト・オブ・セブン(7試合制4戦先勝)のポストシーズンのシリーズで、3勝無敗とリードしたチームは、これまで40回中39回(98%)そのシリーズを制しており、0勝3敗から勝負を第7戦まで持ち込んだのは、わずか2チームのみ」と伝えている。

ちなみに、その2チームとはともにアメリカンリーグチャンピオンシップシリーズのことで、2020年にレイズを退けたアストロズと、2004年のヤンキースに対して0勝3敗から盛り返したレッドソックスで、後者が唯一3連敗から逆転でシリーズを制覇したチームとなっている。

引き続き、ブロンクスで行われる注目の第4戦は、ドジャースにとって恐らくこのシリーズ唯一のブルペンゲームとなるため、ここで一気に勝負を決めるには、それなりの得点が必要とされる可能性が高い。

というのも、ドジャースはこのポストシーズンを通して3試合をブルペンゲームで戦っており、成績は2勝1敗で、勝利した試合は負ければシリーズ敗退だったパドレスとのディビジョンシリーズ第4戦と、ワールドシリーズ進出を決めたメッツとのチャンピオンシップシリーズ第6戦。

何も重要局面であり、それなりの成功を収めた印象が強いものの、直近2試合は合計12失点と少なからず、相手に付け入る隙を見せているのである。もし、この2試合の傾向が続くと仮定すると、第4戦においてドジャースは相手に打ち勝つ必要があり、そうなると鍵を握るのは相手の先発投手を如何に攻略するかとなる。

ヤンキースは第1戦で快投したゲリット・コールを中3日でスクランブル登板させることも不可能ではないが、エースのケガのリスクを回避するため、ルーキー右腕のルイス・ギルを先発投手に指名する模様。

ギルはレギュラーシーズンでは29試合に先発登板し、15勝7敗、防御率3.50と、初めてのフルシーズンで堂々たる成績を収めたのだが、規定投球回に達していないにも関わらず、今季MLB最多の77与四球と、走者の重みがレギュラーシーズンの何倍にもなるポストシーズン向きでない性質を持っている。

与四球率で見ても、規定に達した投手で今季ワーストだったクリス・バシットの3.68に対し、ギルは4.57とかなり高い。しかも、今回の相手は打席での規律がすこぶる高いドジャース打線である。

『MLB.com』もこのマッチアップの構図に注目しており、現地29日未明に掲載した記事の中で、ギルは「四球を切望し、ボール球に手を出さないドジャース打線(彼らの四球率9.6%はメジャー3位で、チェース率25.7%はメジャーで2番目の低さ)と対戦するのである」と伝えている。

ちなみに打者から見たチェース率はボール球をスイングする割合であり、ドジャース打線のポストシーズンにおけるチェース率も、レギュラーシーズンと全く同じ25.7%となっている。そして、四球量産の代償が如何に高くつくかを、チャンピオンシップシリーズでドジャースと対戦したメッツが実証したのは記憶に新しいところだ。

このワールドシリーズ開幕前は、ドジャースの先発ローテーションを不安視する声が多く聞かれたが、蓋を開けてみれば、先発投手陣が高い安定感を発揮したのは、ドジャースの方だった。そして今、ヤンキースはワールドシリーズ初出場で四球の多い若手投手に、生き残りをかけた試合の先発マウンドを託そうとしている。

J SPORTS編集部

J SPORTS 編集部

 

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