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野球 コラム 2024年8月29日

大谷翔平、現地メディアが指名打者でのMVP獲得の妥当性を強く主張

MLBコラム by J SPORTS 編集部
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大谷翔平(ドジャース)

大谷翔平がまたも千両役者ぶりを発揮した。愛犬が始球式を務めた試合で先頭打者本塁打を放つと、その後、2盗塁を決め、MLB史上2人となる1シーズンでの42本塁打42盗塁を達成したのである。

これで大谷は史上初の43-42にリーチをかけるとともに、節目となる前人未到の50-50も達成可能なペースを維持した。もちろんこれで、期間限定で一刀流としてプレーするドジャースの主砲が、史上初となる2年連続両リーグでのMVP獲得へ前進したのは言うまでもない。

さて最近、現地メディア(主に東海岸)では、史上初となる指名打者によるMVP獲得に異を唱える向きもあるようだが、そんな大谷によるMVP獲得を推しているのがスポーツサイト『ジ・アスレチック』だ。

同サイトは現地8月28日付でスポーツライターであるケン・ローゼンタール氏の寄稿した記事を掲載。「ショウヘイ・オオタニの攻撃は他のナ・リーグMVP候補より断然優れている。彼の守備の欠落は問題なのか?」と題した記事の中で、同氏は今季の大谷について以下のように述べている。

「大きな肘の手術から回復しているオオタニは、今季はエリート級の先発投手としてパフォーマンスを発揮する守備ではプレーしていない」ものの、「それでも、彼は他の誰よりも、はるかに優れているため、今もナショナル・リーグMVPのフロントランナーだ」と自らの評価をはっきりさせている。

続けて記事では、「これまで専任の指名打者は誰もMVPを獲得していない」が、「BBWAA(全米野球記者協会)は投手や、指名打者にも(MVPの)権利はあることを明言しており、『何を持って最優秀を意味するか、明確な定義はない』とも明示している」とした。

その上で、「まだ、45-45を達成した選手はおらず、50-50は言うに及ばない。オオタニが恐らく成し遂げるであろう歴史を作った場合、彼は否定するのが非常に難しくなる」と主張。

「ちょうど2022年にオオタニが打者として34本塁打、.875 OPSをマークしつつ、投手として166イニングを投げ、防御率2.33をマークしながらも、ア・リーグでは62本塁打のシーズンを送ったアーロン・ジャッジを否定するのが難しかったように」と例を上げた。

「二刀流として極めて高い水準でプレーした大谷に対し、『1イニングも投げていない』ながら、ア・リーグ史上最多本塁打という歴史を作ったジャッジがMVPを獲得した2年前のMVPレースを引き合いに、『守備をしない』ながら歴史を作ろうとしている大谷によるMVP獲得の正当性を示唆した。

さらにローゼンタール記者は、今後の大谷は「半分だけの選手に投票なんて真っ平御免だ!」という「アンチDH」、そして「誰か他の選手を探そうよ」という「オオタニ疲れ」を克服しなければならないとした。

そして、「アンチDH」に対してはデビッド・オルティーズ、フランク・トーマンス、エドガー・マルティネスなど、過去にDH専任ながら、MVP投票で上位に入った例を挙げ、今季ナ・リーグで「他の誰か」にあたる選手(ムーキー・ベッツ、ケテル・マルテ、フランシスコ・リンドーア)が大谷の対抗馬として説得力に欠けることを指摘。

また、選手の全体的な能力の指標であるWARについては、データ会社の『ファングラフス』ではリンドーアが大谷を上回っているものの、『ベースボール・リファレンス』では、その関係が逆転していることについて触れ、WARが唯一の判断材料になり得ないことを説明している。

その上で、同氏は前提として「まだシーズンは1ヶ月残されており、この間にナ・リーグのMVPレースは状況が変わることもあり得る」としながらも、「専任DHによるMVP獲得は人によっては受け入れ難いかもしれず、DHがMVPを勝ち取る唯一の方法があるとすれば、それは攻撃面で他を圧倒的に引き離し、守備での貢献の欠落を乗り越えることだ」とした。

そして、「40-40の時点で、オオタニは極めてこれに近い。45-45、あるいは50-50となれば、彼はこの会話をほぼ終わらせるだろう」と記事を締めくくっている。

J SPORTS編集部

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