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「オレたちを遙かなる高みまで連れて行ってくれないか?栄光に向かう道があるところまで」と歌われるこの曲、シーガーは「ボクたちにとっては絆を深めるものになったんだ。入ったり出たりする人がいる。どうやって溶け込める?どう団結する?チームによってやり方は違うと思うけど、ボクらはこの方法だった」と述べています。ボウチー監督もこの曲の経緯を知っていて「確かオースティン・ヘッジスが流し始めたんじゃないかな?」とのこと。今年の夏にトレード・デッドラインでレンジャースへやって来た控え捕手役のヘッジスは、チームに溶け込むための手段として、恐らくこの曲をクラブハウスで流し始めたのではないか、と考えられます。ワールドシリーズに入ってからも第1戦では試合前のレンジャース選手紹介時に、第2戦では1回表終了時に流れ、すっかりチームのアンセムとして定着している模様です。
実は去年のフィリーズにも似たような事がありました。フィリーズがホームゲームで勝利した際に流れ、ファンが大合唱することでお馴染みとなったカラム・スコット『Dancing On My Own』は、去年からフィリーズに入団したカイル・シュワーバーがチームに溶け込むべく、クラブハウスで流してもらう様、DJ役の控え捕手ギャレット・スタッブスに頼んでプレイリストに入れてもらい、いつの間にかクラブハウスで大合唱するようになり、それがファンにまで浸透、快進撃を続けワールドシリーズ制覇まであと一歩のところまで勝ち進むことが出来ました。レンジャースは更にその上、“遙かなる高み”まで辿り着くことが出来るのでしょうか……?
一方、Dバックスと音楽にまつわる話題といえば、セットアッパーのケヴィン・ギンケルをおいて他にいません。レギュラーシーズンではキャリアハイとなる60登板を記録し防御率2.48、今ポストシーズンでは9試合に登板し全て無失点、ワールドシリーズ第1戦では8回に登板し1安打1四球1暴投、これまでの安定感に比べやや精彩は欠いたものの見事に無失点に抑えました。このギンケル、2021年のシーズンから本拠地チェイス・フィールドで登板し三振を奪う毎に、何とギターを1本、地元フェニックスにある青少年向け音楽学校に寄付をするという社会貢献活動を展開しています。その音楽学校の名前は「Alice Cooper’s Rock Teen Center」。音楽ファン、とりわけ1970年代のロックファンならその名を知らない人はいないでしょう、2011年にアメリカ「ロックの殿堂」入りも果たしている、あのアリス・クーパーが設立した音楽学校なのです。
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