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決着は「勝者総取り」の最終戦に。フィリーズは球団創設140年で初めて経験するポストシーズンの第7戦。ナ・リーグ チャンピオンシップシリーズ
MLBコラム by J SPORTS 編集部決着は第7戦へ
ナショナルリーグ チャンピオンシップシリーズは、フィリーズがこのポストシーズンで無敵を誇った本拠地『シチズンズ・バンク・パーク』でダイヤモンドバックスに不覚を取ったことで、勝負は「勝者総取り」の第7戦へもつれ込むこととなった。
絶対的に不利な状況に立たされていたダイヤモンドバックスは、第6戦で相手先発のアーロン・ノーラを序盤の本塁打攻勢で攻略し、試合の主導権を握ると、中盤以降はポストシーズンに入り、打率.375、1.025 OPSと打棒でチームを牽引しているケテル・マルテの2打席連続タイムリーヒットで加点。
投げては先発のメリル・ケリーがレパートリー豊富な球種を見事な制球力で投げ分け、5回3安打1失点8奪三振と快投すると、ブルペンは強力なフィリーズ打線を単打3本に抑える無失点リレーを完遂し、5-1の完勝で第7戦を強いることに成功した。
◆試合結果
Dバックス|0 3 0 0 1 0 1 0 0|5
フィリーズ|0 1 0 0 0 0 0 0 0|1
第7戦も引き続き、フィラデルフィアで開催されるため、地の利は依然としてフィリーズが握っているが、勢いとしてはダイヤモンドバックスに分があるため、最終戦でホームアドバンテージがどう作用するかは未知数である。
事実、『MLB.com』によると、「ベスト・オブ・セブン(4戦先勝)のポストシーズンのシリーズで、第6戦で勝利して第7戦を強いたチームは、これまで60回中34回(57%)勝者総取りの試合を制している」。
そして、「ポストシーズンにおける勝者総取りの試合で、ホームチームの歴代通算成績は62勝64敗となっており、ベスト・オブ・セブンのシリーズでは30勝28敗となっている」とのことで、過去のデータ的には、ダイヤモンドバックスがやや有利な状況と言える。
また、意外なことに140年前の1883年に創設されたフィリーズにとって、プレーオフの第7戦を戦うのは、これが球団史上初であり、現地10月24日(日本時間25日)に行われる運命の一戦で、フィリーズは球団として未知の領域に踏み込むことになるのである。
ちなみに、『MLB.com』によると、パドレス、マリナーズ、ロッキーズも、これまで第7戦を1度も経験していないが、この3球団は1961年以降の球団拡張時代に創立されたチームである。
但し、打線の主軸であるカイル・シュワーバーとトレイ・ターナーは、いずれもワールドシリーズで第7戦を経験しており、しかも、ともにワールドチャンピオンになっているため、チームとして必ずしも第7戦に免疫がないわけではない。
また、蛇足ながら付け足しておくと、この2人は同じく「勝者総取り」だった今春のワールドベースボールクラシックの決勝戦でプレーしており、日本に敗れはしたが、2人揃ってその決勝で本塁打を放っている。
一方、ダイヤモンドバックスは過去に1度だけポストシーズンの第7戦でプレーしており、その唯一の経験である2001年ワールドシリーズの第7戦では、サヨナラ勝ちで球団史上初にして、唯一のワールドシリーズ制覇を遂げているとあって、サンプル数は微少ながら、こちらの方が験は良いと言える。
そんな第7戦で、最も大きな鍵を握るポイントを挙げるとすると、それはやはりピッチングゲームということになるだろう。フィリーズはポストシーズン通算防御率0.94(5試合以上先発した投手では、MLB史上ポストシーズン最少)を誇る、レンジャー・スアレスが先発登板。
ダイヤモンドバックスは、ルーキーながらポストシーズン直近2試合で出色のパフォーマンスを見せたブランドン・ファートが先発の大役を任されることになるが、両チームとも、投手陣は第6戦の先発投手を除く、総動員態勢で臨むと見られ、早めの継投が予想される。
仮にスアレスが額面通りの投球を見せた場合、先発のファートとブルペンがフィリーズ自慢の一発攻勢をどれだけ凌げるかが、大きなみどころとなりそうだ。
J SPORTS 編集部
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