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ちなみに、現地放送ではこの死球の場面について、状況的に故意で当てたとは考え難いとコメントしており、『MLB.com』が試合後に掲載した記事によると、当のアブレイユは「僕のプランは、内角高めに投げようというものだった。それが僕の彼に対するプランだった。(速球を)内角高めに投げて、スライダーを外角低め、みたいな感じでね」。
「でも、あの投球は単に投げ損なっただけで、彼が大袈裟なリアクションを見せたんだ。僕は『一体どうしたの?』っていう感じだった。単に投げ損なっただけなんだ」と述べている。
一方、『MLB.com』によると、レクレルクは試合後、スペイン語で「正直なところ、(中断が影響したかどうかは)分からない。結局のところ、僕は(マウンドへ戻ることについて)大丈夫だと感じた。僕はあそこまで長いこと待った上で、投げに戻ることには慣れていないけれど、言い訳はしないよ」。
「身体は良い感じだったし、全て問題なかったんだ。まあ、腕のどこかが調子はずれだったのかもしれないし、もしからしたら100%の状態じゃなかったのかもしれない。でも、言い訳はしないよ。最初の打者2人に対して、もっと良い仕事をするべきだったと感じている」という趣旨のことを述べている。
また、ブース・ボウチー監督は「私は中断について憂慮していた。正直言って、あれはあまりに長過ぎた。有り体に言って、あそこで起こったことは、くだらないことだった。故意だったかどうかなんて、誰にも分からないが、こういうのが起こったのは、これが初めてではなかった。中断がレクレルクに影響したのは間違いないと思う。と言うもの、彼は8回に出てきて一死取らなければならなかったから」と、コメントしたとのこと。
こうなると、結果的に今回の逆転劇の影の功労者は騒動のきっかけを作ったアブレイユと、中断を長引かせたベイカー監督に見えなくもない。
だが、真の功労者は8回二死の場面で、制球に難のあるレンジャーズ3番手のアロルディス・チャップマンに対し、カウント2-0から逆方向へ二塁打を放って『元』人類最速男をマウンドから引きずり下ろし、ワンテンポ早いタイミングでのレクレルク投入を強いたカイル・タッカーということになるだろう。
『たられば』にはなるが、チャップマンが8回を投げ切っていれば、長い中断の有無に関わらず、ダグアウトからではなく、ブルペンから出てきたコンディション万全のレクレルクが、アルトゥーベの前の2人の打者に対し、もう少し有利な状況で投球できていたのである。
J SPORTS 編集部
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