ダイヤモンドバックス、ドジャースに2連勝で王手。レンジャーズに続き、番狂わせなるか？MLB ナ・リーグ ディビジョンシリーズ

ダイヤモンドバックスvs.ドジャース 第3戦

アンダードッグが番狂わせを起こす下剋上は、MLBのポストシーズンにおける醍醐味の一つであり、今年も既にいくつかの球団が驚きのアップセットを起こして、10月のベースボールを大いに盛り上げている。

その筆頭は、やはりワイルドカード、ディビジョンシリーズと、2シリーズ連続して格上相手にスイープでのアップセットを達成し、リーグチャンピオンシップシリーズ一番乗りを決めたアメリカンリーグのレンジャーズであろう。

MLB　ポストシーズン結果（現地10月10日時点）

【アメリカンリーグ】

◆ワイルドカードシリーズ
ツインズ（中地区優勝）☆　2-0　ブルージェイズ（ワイルドカード3位）
レイズ（ワイルドカード1位）0-2　☆レンジャーズ（ワイルドカード2位）

◆ディビジョンシリーズ
オリオールズ（東地区優勝）0-3　☆レンジャーズ
アストロズ（西地区優勝）2-1　ツインズ

特に、終わったばかりのディビジョンシリーズでは、第1シードのオリオールズに対し、3試合合計21得点と、自慢の強力打線が火を吹いており、ア・リーグもう一方のディビジョンシリーズは少なくとも第4戦が行われるため、日程的にもリーグチャンピオンシップでは、投手陣のコンディション面で優位に立って初戦を迎えられる公算が高く、昨年のフィリーズにように、このままワールドシリーズまで突っ走りそうな雰囲気を漂わせている。

一方、ナショナルリーグでは、第6シードのダイヤモンドバックスが台風の目となっている。ここまで、ワイルドカードから無傷の4連勝で来ており、現地11日にはレンジャーズ同様、2シリーズ連続スイープでのリーグチャンピオンシップ進出をかけて、本拠地チェイスフィールドで行われるドジャースとの第3戦に臨むこととなった。

【ナショナルリーグ】（現地10月10日時点）

◆ワイルドカードシリーズ
ブルワーズ（中地区優勝）0-2　☆ダイヤモンドバックス（ワイルドカード3位）
フィリーズ（ワイルドカード1位）☆　2-0　マーリンズ（ワールドカップ2位）

◆ディビジョンシリーズ
ブレーブス（東地区優勝）1-1　フィリーズ
ドジャース（西地区優勝）0-2　ダイヤモンドバックス

ダイヤモンドバックスは第3戦でのリードオフ起用が予想される大型新人のコービン・キャロルが、これまでシリーズ2試合で計3安打3四球と堂々たるプレーでしっかり役割を果たしており、3番に入るベテラン指名打者のトミー・ファムが2試合で6安打と当たりが出ているほか、打線全体で見ても2試合で5本塁打と、ワールドカップをスイープした勢いを、このシリーズでさらに加速させている感がある。

また、投手陣も火力の強いドジャース打線相手に2試合合計4失点と、先発からブルペンまで見事な安定感を見せている。ただし、初戦で先発したメリル・ケリーが7回途中、第2戦で先発したザック・ギャレンが6回途中と、試合後半まで投げたのに対し、第3戦では早い段階（恐らく打者2巡）での継投が予想されるルーキーのブランド・ファートが先発予定となっており、このゲームは序盤の攻防に加えて、トロイ・ロブロ監督の継投策が大きなみどころとなりそうだ。

ドジャースとしては、この経験値の低い若手投手（ファートはこれがポストシーズン先発2試合目であり、前回のワイルドカードのブルワーズ戦は2回2/3、7安打3失点の内容）に付け入りたいところだが、それにはこのシリーズ2試合で、2人合わせて13打数1安打と、完全にブレーキとなっているムーキー・ベッツとフレディ・フリーマンの1・2番コンビの復調が鍵を握ることになりそうだ。

特に、ラインナップで後ろに控えるJ.D.マルティネスは、9月の月間成績を打率.355、長打率.724、8本塁打、25打点とするなど、好調のままポストシーズンを迎えており、第2戦でも2安打1打点と気を吐いているだけに、彼の前にどれだけ走者を溜められるかがポイントとなるだろう。

ちなみに、レンジャーズが勝利した今季のシリーズを含めると、これまでディビジョンシリーズが現行の2-2-1形式になって以降、敵地で第1戦と第2戦を制した17チームのうち、15チームがそのシリーズを制覇しており、うち11チームはスイープで勝ち抜けを決めている。