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野球 コラム 2023年10月3日

前田健太のツインズvs.菊池雄星のブルージェイズは「リーグ最高レベルの投手力対決」。ア・リーグ ワイルドカードシリーズ展望

MLBコラム by J SPORTS 編集部
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前田健太(ツインズ)

2023年のMLBレギュラーシーズン後半、日本人選手が継続的にロースターに名を連ねたアメリカン・リーグの球団は5チームあり、そのうち3チームがポストシーズンへと辿り着いた。言ってみれば、3勝2敗の勝ち越しである。しかも、ナショナル・リーグは日本人選手所属の3球団全てがプレーオフ進出を逃したことを考えると、これはなかなかの勝率である。

◆ア・リーグ 優勝チーム
東地区:オリオールズ(101勝61敗)
中地区:ツインズ(87勝75敗)
西地区:アストロズ(90勝72敗)

◆ワイルドカード順位表
1位 レイズ(99勝63敗)
2位 レンジャーズ(90勝72敗)
3位 ブルージェイズ(89勝73敗)

具体的には、藤浪晋太郎の所属するオリオールズ(ア・リーグ東地区優勝/プレーオフ第1シード)、前田健太の所属するツインズ(中地区優勝/第3シード)、そして菊池雄星の所属するブルージェイズ(ワイルドカード/第6シード)がその3チームであり、現地9月3日(日本時間4日)から始まるワイルドカードシリーズでは、ツインズとブルージェイズがミネソタのターゲットフィールドで対戦する。

何れも日本人投手を擁するチームによる、このミネソタでのシリーズは、構図的に投手力を強みとするチーム同士の対戦となった。それも、リーグ最高レベルの投手陣による直接対決である。

例えば、レギュラーシーズンの失点だけを見ても、ツインズのリーグ1位タイに対し、ブルージェイズもリーグ4位と、これがディフェンス的にかなりの好カードであることが理解できる。

さらに投手陣に目を向けると、先発ローテーションは、ツインズが防御率3.82でリーグ1位、そしてブルージェイズが防御率3.85でリーグ2位と、正に最高峰による激突となっており、ブルペンも高水準同士の対決となっている(ツインズはブルペン防御率3.95でリーグ8位、ブルージェイズはブルペン防御率3.68でリーグ5位)。

ちなみに、このシリーズは第1戦の先発がパブロ・ロペスvs.ケビン・ガウズマン、そして第2戦の先発がソニー・グレイvs.クリス・バシットとなる見通しとなっており、緊迫の投手戦が繰り広げられる可能性が高い。

仮に勝負が第3戦までもつれた場合、トロントはホセ・ベリオスが先発登板する見込みだが、状況次第では菊池の先発もあり得なくはない。また、前田はドジャース時代の経験からブルペンでの起用が濃厚となっており、戦況によっては初戦から救援登板することも十分考えられる。

これと真逆の対戦構図となっているのが、ア・リーグもう1つのワイルドカードシリーズである、レイズとレンジャーズの対戦であり、こちらはリーグ1位と2位の打線による打撃頂上決戦となる。

レギュラーシーズンのチーム成績を見ると、マーカス・セミエン、コリー・シーガー、アドリス・ガルシアらを擁するレンジャーズは得点、打率、出塁率、長打率、本塁打の各カテゴリーでリーグ1位だったのに対し(本塁打は1位タイ)、首位打者のヤンディ・ディアスや、ランディ・アロザレナが打線を牽引するレイズも本塁打(リーグ4位)以外はそれぞれのスタッツで2位にランクインしている。

攻撃面で目を引く違いは盗塁で、レイズはリーグ2位の160盗塁をマークしたのに対し、レンジャーズはリーグ14位の79盗塁に止まっており、この機動力の差は、注目ポイントの1つである。

投手陣に目を向けると、レンジャーズがジェイコブ・デグロームとマックス・シャーザーの両エースを欠いているのに対し、レイズはエースのシェーン・マクラナハンが不在となっており、両チームを通じた鉄板スターターはレイズのタイラー・グラスナウ唯一人となっている。

その辺の事情も、「打ち勝った方がシリーズを制する」という流れに拍車をかけることになるだろう。

J SPORTS編集部

J SPORTS 編集部

 

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