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プロ野球2023公式戦
【ハイライト】広島 vs.東京ヤクルト(8月26日) デビッドソン、2本塁打を含む3安打の活躍
◆悩める右腕がお得意様相手に1ヶ月ぶりの勝利
8月6日のピースナイターでは5回4失点で敗戦投手、終戦記念日の15日も4回5失点で降板と、今季は大事な試合で打ち込まれる場面が目立つ大瀬良大地が、23日の横浜DeNA戦で1ヶ月ぶりの勝ち星となる今季5勝目を挙げた。
この日も2点の援護をもらった3回に佐野恵太の一発で同点とされて5回2失点で降板と、投球内容は本人も周囲も不本意と言えるものだったが、自身の代打で登場した田中広輔が勝ち越しの押し出し四球で勝利投手となった。大瀬良にとって横浜DeNAは21年以降、8勝0敗、対戦防御率1.53の好成績を残していた得意の相手で、このカードの連勝を9に伸ばした。
◆リリーフ陣、真夏の奮投
矢崎拓也とターリーの離脱で苦しい状況が続くリリーフ陣だが、残された投手が踏ん張りを見せている。リリーフに配置転換で8月20日に一軍復帰を果たしたアンダーソンは、先週は3試合に登板。26日のヤクルト戦では1失点も転向後初白星をマークした。
剛腕セットアッパーへ覚醒の感もある島内颯太郎は、先週は4試合に登板して週間防御率0.00で4ホールドを記録。25日のヤクルト戦では山田哲人、村上宗隆、サンタナを三者三振の圧巻の投球で、チームのサヨナラ勝ちを呼び込んだ。『復活の守護神』栗林良吏も、選手は4試合登板で同0.00、1勝2セーブ、1ホールドと完璧な内容。自身13試合連続無失点と、頼れる存在になってきた。さらに大道温貴も状況を問わない起用で4試合無失点を記録している。
延長12回引き分けに終わった27日は、先発の黒原拓未が3回4失点、2番手の森浦大輔が1回3失点で降板した後、5回以降は前述の投手を中心に8人が無失点リレー。圧巻だったのが11回から登板したアドゥワ誠で、ベンチ入りの投手全てを使い切った総力戦で2イニングを投げ切り、無失点に抑えて引き分けに持ち込んだ。
***** 週間MVPは、投手は今季3度目の完封勝利をマークした九里亜蓮も捨てがたいところですが、大奮投のリリーフ陣で特に印象に残る投球を見せた島内を抜擢。野手は小園海斗が週間打率.346、3本塁打のデビッドソンも同.316をマークしていますが、先週は6試合全てにスタメン出場し、2週連続で週間打率4割超え(.409)を果たした堂林を選出したいと思います。
文:大久保泰伸
大久保泰伸
フリーライター、編集者。1969年広島市生まれ、現在は神奈川県在住。出版社勤務を経て、20世紀の終わり頃に独立。別冊宝島野球シリーズの執筆、編集や広島などのOBの著書の編集協力などを行い、同社のプロ野球選手名鑑は創刊時から現在まで関わる。記者活動は2009年にベースボール・タイムズ紙の広島担当でスタートし、15年から野球専門サイトのフルカウントで広島、18年からはDeNA担当も兼務した。
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