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内野手で菊池に次ぐ5回受賞したのが、同じ二塁手の正田耕三です。1987年から5年連銅賞に輝いた正田は、87年にスイッチヒッターとして史上初の首位打者となり、さらに翌年も打率.340をマークして2年連続で打撃でもタイトルホルダーになっています。
三塁手部門では鉄人・衣笠祥雄、一塁手では低迷期の4番打者としてチームを支えた栗原健太が、ともに3回ずつ受賞しています。少し意外に思えるのが遊撃手部門で、野村謙二郎(95年)、梵英心(10年)、田中広輔(18年)が、いずれも1回のみの受賞。エラーが多かったとはいえ、高橋慶彦も一度ぐらいは受賞していてもよさそうなところですが、ここは川相昌弘(巨人)や宮本慎也(ヤクルト)、井端弘和(中日)など、まさに『守備の名手』が揃うポジションで、「守備のベストナイン」ならではと言ったところでしょうか。
捕手部門では達川光男(当時)が3回、西山秀二が2回、石原慶幸が1回と、それぞれ80、90、2000年代のチームを代表するキャッチャーが受賞しています。忘れてはならないのが投手部門の前田健太で、10年から4年連続を含む5回、同賞に輝いています。
その他では大下剛史(75年、二塁手)、北別府学(86年、投手)、江藤智(96年、三塁手)、ウェイド・ロードン(89年、三塁手)、廣瀬純(10年、外野手)が同賞を受賞。外野手では音重鎮(95年)と赤松真人(10年)が、いずれもフェンス際のスーパーキャッチで話題になりました。
ミスター赤ヘルの球団記録に並んだ菊池は、球団記録の更新、さらには福本豊(阪急)が持つ両リーグ最多の12回も視野に入ってきました。授賞式で菊池は「広島の山本浩二さんを抜いちゃダメなんですよ」と冗談混じりに話していましたが、現に今年の投票では、投票率で山田哲人(ヤクルト)や吉川尚輝(巨人)に迫られており、記録更新はそう簡単なものではなさそうです。
文:大久保泰伸
大久保泰伸
フリーライター、編集者。1969年広島市生まれ、現在は神奈川県在住。出版社勤務を経て、20世紀の終わり頃に独立。別冊宝島野球シリーズの執筆、編集や広島などのOBの著書の編集協力などを行い、同社のプロ野球選手名鑑は創刊時から現在まで関わる。記者活動は2009年にベースボール・タイムズ紙の広島担当でスタートし、15年から野球専門サイトのフルカウントで広島、18年からはDeNA担当も兼務した。
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