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野球 コラム 2020年6月1日

上原浩治、ボストン地元紙が振り返る、記憶に残る2013年シーズン

MLBコラム by J SPORTS 編集部
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メジャーリーグにおける上原浩治といえば、2013年シーズンのアメリカンリーグ優勝決定シリーズでのMVP獲得と、その後のワールドシリーズで胴上げ投手となったシーンが、色褪せない記憶として脳の片隅に残っている野球ファンも多いだろう。

それは現地記者も同じようで、これは少し前の記事になるが、地元紙『ボストン・ヘラルド』はレッドソックスの過去10年で最高のシーズンを送った選手ベスト10を発表。

その4位に2013年の上原を選出したのである。同紙の電子版に掲載された記事では、同年の上原による活躍を次のように回顧している。

『かなり想定外だった選手による大活躍は、スポーツにおける最高のストーリー展開の1つであり、今の我々は、それがないことで、満たされていないと感じている。

2013年のレッドソックスでは、コウジ・ウエハラがそれに該当する男だった。

彼は38歳の投手で、日本での輝かしいキャリアの後、アメリカでの4年目のシーズンとなったその前年に、時速89マイル(143キロ)の速球と82マイル(132キロ)のスプリットを投げていた。

彼はオリオールズとレンジャーズに在籍した当時は、シーズンを通してコンディションを万全に保てなかった。そして、レッドソックスは2012年の冬に、終盤のリリーバーとして1年425万ドル(4億6000万円)で彼と契約したのである。

2013年のレッドソックスのクローザーは、その冬にパイレーツからブロック・ホルトとのトレードで獲得したジョエル・ハンラハンが務める予定だった。

更にその1年前にアスレチックスから獲得したアンドリュー・ベイリーにも、クローザーとしての経験があり、その年は8回を任されることになっていた。

しかし、両者は5月初旬の時点で故障を抱えた。ハンラハンはトミー・ジョン手術を要し、その後、メジャーに復帰することはなかった。ベイリーは1年を通して、肩の怪我と付き合わなければならなかった。

当時レッドソックスの監督だったジョン・ファレルは、持久力の懸念からウエハラをクローザーに指名することに躊躇いを覚えたが、シーズン半ばの時点で、彼が適任者であるのは明らかだった。

ファレルは彼を「渡りに船」と称した。ウエハラはクローザーを任された6月26日からレギュラーシーズン最終戦へかけて、41試合に登板し、防御率を0.41としたほか、59奪三振に対し、与四球はわずか2だった。

それはメジャー史上稀に見る支配的なパフォーマンスの連続だった。そして、そのなかには、30回1/3に及ぶ連続無失点イニングがあり、その間、打者は彼に対し95打数6安打だった。

8月17日から9月13日にかけて、ウエハラは37人の打者を連続して打ち取ったのだが、これは救援投手による単一シーズンの記録としては、メジャー史上2番目に長い記録となった(最長は2007年のボビー・ジェンクスによる41者連続)。

魔法の理由は、77~86マイル(124~138キロ)の範囲で投げられるスプリットにあり、これはストライクゾーンから消えて無くなるように見えた。

このスプリットを効果的にしたのは、最高でも92マイル(148キロ)までしか到達しなかった、80マイル台後半の速球だった。

2013年に要件を満たしたリリーバー121人中、ウエハラの速球の平均球速は115位だった。それにもかかわらず、彼ほど支配的な選手は誰一人いなかった。』

『ウエハラはハイタッチを重ねながら、3連敗以上を喫することのなかった2013年のチームで、最も重要なメンバーの1人となっていった。

アメリカンリーグディビジョンシリーズで、ウエハラは沈むスプリットと浮き上がる88マイル(142キロ)の速球を武器に、レイズをきりきり舞いさせる。

そして、優勝決定シリーズではタイガースを手玉に取り、5試合6イニングを無失点に抑え、9奪三振に対し、被安打をわずか4とした。彼はアメリカンリーグ優勝決定シリーズのMVPに選出された。

ワールドシリーズ第6戦では、カーディナルスのスター、マット・カーペンターがウエハラと対戦した最後の打者となった。

ウエハラは初球に投げた89マイルの速球でストライクを取った。その後の2球はスプリットを投じ、どちらもボールの判定。内角への速球はファウルとなり、カウントはイーブンに。高めの速球はファウル。その後のスプリットもファウル。

観客は、“コウジ、コウジ、コウジ!”と大合唱を始めた。彼が外角低めへスプリットを投じると、カーペンターは空振り三振に倒れた。

ウエハラは諸手を突き上げると、走りながら捕手のデビッド・ロスの腕の中へと飛び込み、天へ向かって一本指を指した。

「フェンウェイ・パークでは95年振りのことです!」と、ジョー・バックの名調子が始まった。「レッドソックスがワールドチャンピオンになりました!」』

J SPORTS編集部

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