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◆10月24日(水)午後1:00 J SPORTS 4
・ワールドシリーズ 第1戦 レッドソックス vs. ドジャース
今季のワールドシリーズは、全米ファンが熱狂する組み合わせとなった。ナ・リーグを制したのは、前田健太の所属するロサンゼルス・ドジャース。ア・リーグを制したのは、ボストン・レッドソックス。
田中将大が所属するヤンキースがレッドソックスに勝って進出していれば、さらに熱狂したかもしれないし、日本人ファンには残念でもあるが、ともあれ人口の多いアメリカ両岸の都市をホームとする名門チーム同士が激突することとなった。
意外にも、歴史ある両チームがワールドシリーズで対戦するのは102年ぶりという。1916年、ロサンゼルス・ドジャースはブルックリン・ロビンスというチーム名で、対したボストン・レッドソックスには、あのベーブ・ルースもいた。
先発投手の完投が当たり前の時代で、第2戦でルースが完投勝利をあげたほか、第4、第5戦でもレッドソックスは先発投手が完投し、チームを勝利に導いている。その時の対戦では、4勝1敗でレッドソックスがワールドシリーズを制覇した。
一世紀の時を経て、今では短期決戦を勝ち抜くためには、リリーフ陣容が大きな割合を占めるようになったが、メジャーナンバーワンのリリーフ陣を擁したブリュワーズは、リーグチャンピオンシップシリーズ第7戦でドジャースに敗戦。
結果として、総合的に選手層の厚いドジャースが2年連続で、ワールドシリーズ進出を果たした。
なお、プレーオフ前の予想オッズでは、ワールドチャンピオンになる確率は「ドジャースが優位」だったが、両チームに限られてからの数字は、僅差で「レッドソックスが優位」となっている。
◆記録的な安定感を誇る、「また帰ってきた」ドジャース
30年ぶりのワールドシリーズ制覇を目指し、ますますの補強を重ねてきたドジャースは、シリーズ実績も申し分ない。
今季最多の108勝をあげたレッドソックスからは見劣りする92勝だが、シーズン90勝以上を6年連続で継続し、リーグチャンピオンシップシリーズにも6年連続という記録的安定感を誇る。
昨季はワールドシリーズに惜しくも第7戦で惜敗しているため、この大舞台に「また帰ってきた」という余裕と経験の差はおそらく大きい。
にもかかわらず、予想オッズで「レッドソックスが優位」と見られているのは、ポストシーズンでの勝っぷりの差だろう。
レッドソックスは、ディビジョンシリーズで宿敵ヤンキースを圧倒し、リーグチャンピオンシップシリーズでも昨季覇者のアストロズを相手に、初戦こそ落としたが、その後は怒涛の4連勝と勢いも見せたからだ。
一方で、先のリーグチャンピオンシップシリーズで、ブルワーズと第7戦までもつれこんだドジャースは、辛くも勝ち上がった印象が拭えない。
とはいえ、その試合でも、ブルワーズの主砲クリスチャン・イエリッチが不振から目を覚ましたかのように、先制1号ソロを放ったすぐ後で、ドジャースのコディ・ベリンジャーが流れを呼び戻す2ランを放ち、ヤシエル・プイグが3ラン。リーグトップのホームラン軍団らしい真骨頂も見せてつけている点は見逃せない。
あとは、日本のファンにとっては、前田の好投が見たいところ。このリーグチャンピオンシップで、前田は4試合に登板しているので、ワールドシリーズでも連投があるかもしれない。
◆勢いのレッドソックスは、エースと守護神がカギ?
対するレッドソックスは、勝てば5年ぶりのワールドチャンピオンとなる。2013年、上原浩治が胴上げ投手になったことは記憶にまだ新しい。
今は日本人選手がいないのが残念だが、チームには今もたくさんの日本人スタッフが所属している(というと親近感が湧くだろうか)。
ワールドシリーズは、リーグそれぞれのルールの違いもポイント。ホームアドバンテージはレッドソックスで、初戦と第2戦、あれば第6戦と第7戦を本拠地ボストンで開催する、それらの試合では、ア・リーグルールなのでDH制で戦うが、第3戦からの敵地ではナ・リーグなので、DH制はない。
そこで、レッドソックスは、「DHに座る好調J.D.マルティネスを外野手として起用するのではないか、そうなると代わりに外野手のムーキー・ベッツを二塁手に起用するのではないか」とも注目されている。慣れない守備が流れにも影響を及ぼすかもしれない。
それでも、チームのムードは高まるばかりだ。ポストシーズンにめっぽう“弱い”、左腕エースのデイビッド・プライスはアストロズとの決戦で勝ち投手になり、安定感を欠いている守護神のクレイグ・キンブレルが試合を締めて、リーグ優勝を決めたばかり。
あえて言うなら”経験”のドジャースと”勢い”のレッドソックスとなるかもしれないが、どちらも緻密で選手層も厚く、総合力で申し分なく強い。見応えのあるシリーズが期待される。
松山 ようこ
翻訳者/ライター/インタビュアー。主にスポーツやエンタメ分野にて実績多数。野球はプロ野球からMLB、他にもマイナースポーツからオリンピック大会まで、国内外の競技場や大会での現地取材を数多く経験するスポーツ好き。アスリートはじめ、一般人から著名人まで幅広くインタビューし、日本語と英語ともに記事やコラムにする。訳書『ピッチングニンジャの投手論』『ベイダータイム』。 ※『ピッチングニンジャの投手論 PitchingNinja's analysis of Japanese MLB Aces』 ※『VADER TIME ベイダータイム: 皇帝戦士の真実 』
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