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バドミントン世界選手権(スイス、バーゼル)は、22日に各種目の3回戦を行い、男子シングルスで連覇を狙う桃田賢斗(NTT東日本)らが8強入りを果たした。男子ダブルスは、翌23日の準々決勝での園田啓悟/嘉村健士と保木卓朗/小林優吾(ともにトナミ運輸)の対戦が決定。3位決定戦が行われないため、この種目での日本勢のメダル獲得が確定した。22日に試合を行った日本男子種目の様子を伝える。
男子シングルス
世界ランク1位の桃田は、同30位のH.S.プラノイ(インド)を2-0で破った。第1ゲームは、接戦。桃田はスピードを上げてラリーを展開したが振り切れず、テンポを落とすとキレ味ある強打をたたき込まれて19オールまで苦戦した。しかし「消極的になってラケットを振れなくなってきていたので、あそこで置きにいったら、やられていた。緊張した状態でも踏み込んでプッシュにいけたのは、体が動けている証拠。合宿の成果がほんの一瞬、出た」と攻め切って21-19。第2ゲームは、危なげなく物にして8強入りを果たした。
世界12位の西本拳太(トナミ運輸)は、同13位のリー・リージア(マレーシア)に1-2(15-21、21-11、22-20)で敗れた。マッチポイントを握られてから追いつく粘りを見せたが、スマッシュからのプッシュをカウンターで返されて21点目を失うと、最後は、ヘアピン返しをワイパーショットで決められた。西本は「悔しい気持ちでいっぱい。チャンスで決定打を打てる実力があれば勝てた。昨年ベスト16の壁を越えたかった」と悔しがった。
世界ランク18位の常山幹太(トナミ運輸)も、同9位のアンダース・アントンセン(デンマーク)に惜敗。第1ゲームで1-13と出遅れた状況から20オールに追いついたが、21-23で及ばず。第2ゲームは競ったが、18-21でストレート負けを喫した。常山は「相手が焦って良かった面もあったが、やはり勝ち切れなかったら意味がない」と肩を落とした。
男子ダブルス
世界ランク4位で前回準優勝の園田/嘉村は、同11位の中国ペアを撃破。1ゲーム目で20-17から逆転を許して先行されたが、第2、3ゲームを取り返して底力を示した。得意の低空戦は不調のままだが、嘉村が前衛でチャンスを作り、園田に強打を打たせるパターンで対抗。厳しい戦いを制し、嘉村は「復調の兆しが見えてきた」と手ごたえを示し、3大会連続のメダル獲得に前進した。
世界ランク13位の保木/小林は、同6位で格上の中国ペアを2-0で破った。保木は、サーブ周りの修正を勝因に挙げた。小林は、準々決勝に向けて「インドネシアオープンで勝ったけど、たくさん負けた後での勝利。2回連続で勝てば実力がついたと証明できる」と先輩相手の連勝に意欲を見せた。
世界ランク21位の井上拓斗/金子祐樹(日本ユニシス)は、前回王者のリ・ジュンフイ/リュウ・ユチェン(中国)を相手に接戦に持ち込んだが、1-2(11-21、21-19、19-21)で敗れた。第2ゲーム以降、守備だけになることを避けて、積極的に反撃を展開。中国のツインタワーを相手にレシーブ、ドライブで負けずに押し返したが、最後はリュウのパワーアタックに屈した。終盤の17-20から勝負に出た金子は「相手が2人で前に詰めてくるのは分かっていたが、先に球を沈めてこっちが打つしかないと思ったが(沈めに行った)球が浮いてしまった」と悔しそうだった。井上は、大会を振り返り「8~16位辺りの選手に勝ち切ることができると感じた。取りこぼさず、上位にもしっかり勝って、日本のほかの3ペアに置いていかれないようにしたい」と五輪レースで食らいつく姿勢を示した。
文/写真:平野 貴也
平野 貴也
1979年生まれ。東京都出身。
スポーツ総合サイト「スポーツナビ」の編集・記者を経て、2009年に独立。サッカーをメーンに各競技を取材している。取材現場でよく雨が降ることは内緒。
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