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バドミントン コラム 2019年7月29日

3連戦の最後も注目、バドミントン五輪レースは始まったばかり

バド×レポ by 平野 貴也
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山口茜、奥原希望
大きな3連戦の半ばを超えた。2020年東京五輪を目指すバドミントンの日本A代表は、28日に閉幕した「ダイハツヨネックスジャパンオープン2019」で、五輪レース最初のヤマ場である3連戦のうち2大会を終えた。

特筆すべき好成績を挙げたのは、女子シングルスの山口茜(再春館製薬所)だ。インドネシアオープンとジャパンオープンを連続で優勝。30日に更新される世界ランクで1位に返り咲くことが確実になった。今回の2週連続優勝は、2020年東京五輪の出場権争いで大きな意味を持つ。
高橋礼華、松友美佐紀組と松本麻佑、永原和可菜組
バドミントンの東京五輪出場選手は、来年4月28日発表の世界ランクによって決まる。世界ランクは、1年間の成績が反映されるもので、各大会に設定されたポイントの集計によって決まる(獲得ポイントの高い10大会分を対象とする)。当然、グレードやレベルが高く、ハイレベルな選手が多く参加する大会ほど、ポイントは高い。前述のインドネシアオープンは、年間3大会しかないBWF(国際バドミントン連盟)ワールドツアー最高峰のスーパー1000。ジャパンオープンは、その次のレベルであるスーパー750。ともに大きなポイントを獲得できる大会で、2つを制したことは、五輪レースで一歩リードしたことを意味する。

また、日本勢の五輪レースで最も注目を集めているのが、女子ダブルスだ。23日更新の世界ランクで1~3位の3組が日本勢。ただし、東京五輪は同種目で同国からは最大2ペアしか出場できないため、熾烈な争いとなっている。インドネシアオープンでは福島由紀、廣田彩花組(アメリカンベイプ)が優勝。高橋礼華、松友美佐紀組(日本ユニシス)が準優勝。ジャパンオープンでは、松本麻佑、永原和可菜組(北都銀行)が準優勝で、高橋、松友組がベスト4に残った。好成績を収めても、ほかの日本のペアも上位成績であれば、大差はつかない。上位に入り続けなければならないタフな戦いとなる。
4月末に五輪レースが開幕すると同時に、この3組は日本A代表では派遣しないスーパー300の大会にも自主参戦。オーストラリアオープンで優勝した福島、廣田組は、スーパー1000やスーパー750のベスト8より高いポイントを獲得している。日本A代表が次に臨む大きな大会は、ポイントが最も高い世界選手権(8月、スイス)だが、その前に3連戦の最後となるタイオープン(スーパー500、30日開幕)にも出場予定で、こちらも目が離せない。優勝すれば、世界選手権のベスト4と同じポイントが獲得できる。

ジャパンオープンの準決勝で敗れた後、高橋が「(五輪レースの)1年は長いと思うので、1回決勝に行くとか優勝したとかで気を緩められない。コンスタントに成績を残す中で何回か優勝できたらと思う。来週(タイオープン)も試合がある。切り替えが大事。レースが始まって、大きな大会は2つ目。ここで落ち込んでいてもいけない。試合は、次々に来る」と話したように、戦いは、まだまだ続く。優勝者は最終日までプレーした疲労を背負い、早期敗退者は、体力回復の面で優位に立ち、ポイントの巻き返しを狙う。勝ち続けることの難しいレースの中、誰がどこでどのようにポイントを獲得していくのか。来週も注目だ。
平野貴也

平野 貴也

1979年生まれ。東京都出身。
スポーツ総合サイト「スポーツナビ」の編集・記者を経て、2009年に独立。サッカーをメーンに各競技を取材している。取材現場でよく雨が降ることは内緒。

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