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フィギュア スケート コラム 2024年10月8日

宇野昌磨さん「思い出に残るプログラムはオーボエとボレロ」 | フィギュアスケーターのオアシス♪ KENJIの部屋

フィギュアスケートレポート by J SPORTS 編集部
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世界選手権 初優勝 コーチと分かち合った喜び

世界選手権 初優勝 コーチと分かち合った喜び

フィギュアスケートファンの“もっと選手の素顔を知りたい!”という熱い想いに応えるべくスタートした、「フィギュアスケーターのオアシス♪ KENJIの部屋」。元アイスダンサーであり世界を股にかけ活躍するコレオグラファー(振付師)宮本賢二が日本を代表するトップスケーターをゲストに迎えてお届けします。

今回のゲストは今年5月に現役引退を発表した宇野昌磨さん。9年ぶり2度目の出演が実現しました。世界選手権連覇などシニアデビューから数々の大会を制し、日本のフィギュアスケート界に大きな功績を残した宇野さん。これまでの軌跡を振り返りながら、プロに転向した現在の心境に迫ります。

こちらでは番組の書き起こしコラムを全4回に分けてお届けします。3回目は、引退までの時間を振り返ります。

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初めての合計300点台

KENJI:2021-22シーズンは北京オリンピックで銅メダル。初めての合計300点台に到達して、世界選手権にも優勝しました。2度目のオリンピックはどうでした?

宇野:このシーズンは、自分の成績が落ちることを考えていませんでした。前のシーズンで感じた「誇れる競技者でありたい」という思いから、もう上しか見てなくて。成功率関係なしに跳べるジャンプを総動員させて、全部入れ込んでやれるところまでやる。オリンピックシーズンということも関係ない。そんな思いで入ったシーズンだったこともあり、北京オリンピックでの銅メダルはすごく喜ばしいことでした。当初のインタビューでも「すごくうれしい。いい演技ができた」って言っていたんですけど、実は全然いい演技じゃなかったんですよね。もうボロボロで……でも、挑戦を最後まで諦めなかった構成で挑んだことには全く悔いはなくて。その上で銅メダルを取れたので、すごくうれしい思いでした。

KENJI:世界選手権で優勝したとき、コーチが喜ぶ姿が印象的だったよね。

ステファンと喜ぶ宇野さん

ステファンと喜ぶ宇野さん

宇野:それがすごくうれしかったです。ステファンは「スケートを楽しく」っていうコーチで、いつも「スケーターたちが楽しくしてほしい」と言います。でも意外と、競技に対して熱いところもある。ジャンプより表現っていうイメージかもしれないんですけど、ジャンプも重要視していますし、競技に対する考え方とかも熱い。だから、この世界選手権で優勝した瞬間にステファンがすごく喜んでいたことは、とてもうれしかったんです。内容も素晴らしかったので、何も言うことはないかなと思います。

KENJI:もちろん試合を見ていたし、よく覚えていて。ステファンが本当に喜んでいたよね。試合で昌磨くんの演技を見るんだけど、ステファンがずっと踊っているのも、なかなか面白い(笑)。

宇野:面白いです(笑)。気持ちもわかるんですよね。入り込むっていう感じで、最後のステップとかもノリノリ。振り返ってみても、このときは僕のスケート人生の中で最高の瞬間だったかもしれないです。

KENJI:その翌シーズン、2022-23シーズンは日本男子初の世界選手権2連覇でした。

宇野:連覇……一年前とは違って、結果はすごく喜ばしくうれしかったんですけど、終わった後はうれしいよりも安堵したというか。日本開催でしたし「もう優勝だろう」という雰囲気の中での世界選手権。苦しさも乗り越える2連覇ではありました。

KENJI:実は練習でちょっと怪我をしていましたよね。

宇野:公式練習で足をひねってしまって。でもそれが僕にとってはプラスに働いたかなと思います。調子も全然良くはなかった中で、怪我したことによって前に行くしかなかった。それが良かったんじゃないかなと思っています。僕自身、このシーズンの結果もすごくうれしいんですけど、2021-22シーズンは競技に対する熱量が一番熱いシーズンでした。競技者として一番楽しかったシーズンを経て、さらに優勝もして。両方合わさるとこんなに面白く楽しいんだなと、改めて思いました。

ラストシーズン

ラストシーズン

KENJI:なかなか味わえないことだから、話を聞いているだけでもすごい。その中で迎えたラストシーズン。グランプリファイナルは2位。全日本選手権で優勝して、世界選手権は4位でした。そして5月に現役引退となるんですけども、ラストシーズンは「原点にかえって臨む」というテーマで挑んだんですか?

宇野:2022-23シーズンの世界選手権終了後の2年間は、自分にとっては悩みながらのシーズンでした。成績やコンディションのことではなく、自分が熱量を持ってやったものを叶えた後はすごく難しい。それを痛感させられました。それから、羽生結弦さんやネイサン・チェンさん、僕にとってすごく大きな存在であり、一緒に戦ってきたスケーター仲間が現役から退いたという面でも、心に穴が開いた感じでした。それはコロナ禍で大会がなくなってしまったときと同じ感じだったんです。その思いを抱えながら競技生活を送っていました。同時に、2022-23シーズンのシーズンオフで出演した「ワンピース・オン・アイス」。僕はこういうスケートがすごく好きだなと感じるきっかけにもなりました。それなので、悔いなく現役を引退することができましたし、引退後もフィギュアスケートをお披露目する場所がある。そのことにすごく感謝しています。2023-24シーズンよりも、もっといい成績のシーズンが過去にありました。でも、最後に全く悔いの残らないシーズンにしたいという思いで練習に励んで、自分はその思いを達成できたかなと思っています。改めて年表を見ても、長いですよね。9シーズンって。

「ボレロ」と「オーボエ」は思い出深いプログラム

21-22シーズン ショートプログラム

21-22シーズン ショートプログラム

KENJI:タイトルもすごいよね。毎年、本当にすごい。ちなみに今までで一番思い出のあるプログラムは?

宇野:僕は2021-22シーズンの「ボレロ」と「オーボエ」です。KENJI先生振り付けの。

KENJI:付け加えていただいて、ありがとうございます。ただ、俺もパッと「ボレロ」は出た。

宇野:競技に対する熱量が止まることなく溢れていたシーズンだったので、何においても挑戦という心境でした。挑戦に対する失敗やリスクを考えずにいたシーズンでもあるので、一番時間をかけたかのような思い出深いプログラムになったと思います。正直なところ、ボレロは本当に不安だったんです。でも自信を持てたオーボエがあるからこそから、ボレロに集中できる感じだったので、KENJI先生、助かりました(笑)。

KENJI:そういえば当時、福井の敦賀で昌磨くんがずっと練習していたことがあったよね。お客さん誰もいなくて、2人だけ。「もう1回やります、もう1回やります」ってずっと練習していた。そのときにスケートの技術とかやり方もいろいろ話して。それもずっと練習していたよね。氷が溶けるほどの熱量やった。

宇野:本当に氷が溶けるほど、やっていましたよね。敦賀で、ずっと(苦笑)。あのときは全力で動いていましたし、すごい熱量がありました。

文:J SPORTS編集部

J SPORTS編集部

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