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デジタルアーカイブについて | 町田樹のスポーツアカデミア 【Dialogue:研究者、スポーツを斬る】 秩父宮記念スポーツ博物館・図書館
フィギュアスケートレポート by J SPORTS 編集部町田樹
今回、秩父宮記念スポーツ博物館・図書館に伺い、アーカイブ事業に取り組まれている学芸員の先生と、スポーツアーカイブについて議論をしています。3回目は、デジタルアーカイブについて、お話をしていきます。
町田(以下M):ここからは、デジタルアーカイブについて紐解いていきます。秩父宮記念スポーツ博物館・図書館、アーキビストの村上佳奈子先生にお越しいただきました。今までいろいろな資料を拝見してきたのですが、有形物としてアーカイブする場合、この場に来なければ資料にアクセスすることはできません。特にコロナ禍でもあり、足を運ぶという一手間がいるので、なかなか多くの人が一堂に会することは難しいですよね。そうした場所の制約を克服する手段として、デジタルアーカイブがあると思います。こちらの博物館でもデジタルアーカイブの試みはなされているのでしょうか。
村上(以下MK):はい。これからどんどん発展させていきたいという段階ではありますが、少しずつデジタルアーカイブを作成している段階ではあります。
M:こういう文献などは単純にスキャンをして、PDFないし画像的な資料でデジタル化すればデジタルアーカイブ化することもできると思いますが、問題は有形物ですよね。3Dの仕様みたいなものをデジタル化することは至難の技だと思います。
デジタルアーカイブ
MK:実際に写真で撮影しただけでは、大きさやどういったものなのかというのが伝わりにくいという問題があります。もちろん、一緒にスケールを撮影して、大体、どのぐらいのサイズのものなのかというのを画像からも分かるようにはするのですが、合わせて、画像と一緒にどういった文字情報を付けていくのか。それも非常に重要だと思っています。
M:アーカイブ学の領域では三つのメタデータをつけるべきだと考えられていて、その一つが記述的情報です。資料がどういったものなのかというと、単純にディスクリプションですね。二つ目が経営的情報。その資料は誰の所有物なのか、どんな著作権があるのか、肖像権が誰にあるのか。資料を活用する時には、どんな権利処理が必要なのかという利用料のようなもので、資料をマネージメントしていく上で必要となる情報です。三つ目は構造的情報。文献は最も分かりやすいですけれども、単純にスキャンしていくだけではなくて、どんなチャプターで構成された本、資料なのかということです。情報を付すことで、資料にアクセスした人が、一目で「こういう構造の資料なんだ」と分かること。このチャプターは自分にとって関係あると分かることで、すぐに必要な情報を資料の中から抜き出すことができる便利なものです。この三つが最低限必要と言われていますが、やはり記述的情報はスケールを入れたり、記述を入れたりすればいいため、比較的やりやすいのかなと思います。一方で、経営的情報はやはり難しいですよね。
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