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今、ロシアから続々と優秀な若手の女子選手たちが育ってきている。かつてロシアには、イリーナ・スルツカヤ、マリア・ブッテルスカヤなどの世界チャンピオンがいた。だがスルツカヤが2010年トリノ五輪で銅メダルに終り、競技から身を引いて以降、ロシアの女子の存在は影が薄くなっていく一方だった。2012年ニース世界選手権では、アリオナ・リオノワが銀メダルを獲得したものの、今季のGPシリーズでは不調でファイナル進出も逃している。
そんな中で、このところティーネイジャーたちの成長が目覚しい。今シーズン、欧州選手権で2位、3位となったアデリーナ・ソトニコワとエリザヴェータ・トゥクタミシェワは、いずれもジュニア時代には欲しいだけのメダルを手にしてきていた注目の新人である。どちらもまだ16歳で、今シーズンが初のシニア世界選手権デビューとなる。
さらに彼女たちの下には、今シーズンシニアGPデビューをして注目を浴びたユリア・リプニツカヤ、ジュニアGPファイナルで優勝したエレーナ・ラディオノワ、ジュニアGPファイナル3位のアンナ・ポゴリラヤらが控えている。今週末にミラノで世界ジュニア選手権に出場する彼女たちはいずれも14歳で、1月生まれのラディオノワだけは年齢的に2014年2月のソチ五輪に出場することはできない。だが来シーズンの五輪代表選考は、さぞかし凄まじい戦いになることだろう。
彼女たちは、いずれも難易度の高い3+3のコンビネーションをこなし、ジャンプの種類だけに限って言うなら、平均的に現在のシニアたちよりも難しい技を演じている。もっともこれから第二次成長期を経て体がどのように変化していくか、そこでどう技術を保つかによって、シニアで生き残れるかどうかが決まる。だがこれだけの才能が集結している現在、お互いの存在が良い刺激となって高いレベルを保つのではないだろうか。
日本の女子も、浅田真央や安藤美姫らがジュニアだった当時、パワーハウスと世界から恐れられた。その時代を経て、今の日本の華やかなフィギュアスケート全盛期がある。今のジュニア女子、若手たちの顔ぶれを見ると、いずれはロシアの女子たちが世界のトップを占める日々がやってくることを予感させる。
田村 明子
盛岡市出身、ノンフィクションライター。1977年留学のため単身渡米し、現在ニューヨーク在住。長い滞米生活と語学力を生かして多様な方面で執筆活動を行う。フィギュアスケートは1993年からはじめ、これまで15回の世界選手権、3度の冬季五輪を取材。選手のみならず、コーチ、ジャッジ、ISU関係者など幅広い人脈を駆使して多面的な視点から執筆。著書に「氷上の光と影」(新潮社)他。
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