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大阪市中央体育館で開催されていた2013年四大陸選手権も、2月11日に無事に幕を閉じた。日本での開催は本大会で2回目だったが、今回は女子が表彰台を独占するという快挙を遂げた。
特に浅田真央は今シーズンはじめて挑んだ3アクセルをSPで成功させて、74.49という今季シーズン女子の最高点を記録。滑り終わると、嬉しそうにガッツポーズをとった。フリーでは、3アクセルと、久しぶりに挑んだ3フリップ+3ループの2個目のジャンプが回転不足の判定を受けたものの、演技全体の流れを壊すことなく、205.45という自己ベストに迫る高得点で優勝。「理想としている滑りに近づいてきた」と会見では明るい表情で語った。
鈴木明子はSPではいきおいのある素晴らしい演技で2位に立った。フリーでは予定していた2アクセル+3トウループの最初のアクセルで失敗してしまったものの、よく立ち直って残りをノーミスで滑りきり、190.08と自己ベストスコアを更新。村上佳菜子はやはりSPはノーミスできめ、フリーでは細かいジャンプの回転不足などはあったものの、全体をよくまとめた演技で総合181.03と、やはり自己ベストスコアを更新させた。北米勢や中国などをふりきって、日本女子の強さを世界に見せつける大会となった。
一方男子は、予想外の結果となった。カナダのケヴィン・レイノルズがフリーで4回転を3回成功させて、SP6位から挽回し、250.55で優勝したのである。1位2位を占めるだろうと予想されていた日本のトップ二人はいずれも本来の演技を見せることができなかった。
特に高橋大輔は、SP、フリーともにジャンプのミスが重なって総合222.77というショッキングな結果に。「自分でもまだ信じられない。気のゆるみがあったのだと思う」と演技後、呆然とした様子でメディアに語った。
一方羽生は4サルコウの失敗などベストからはほど遠かったものの、全体が崩れることなく総合246.38を獲得し、2位となった。「自分としては許容範囲の結果」と会見で語った。3位には中国の若手、ハン・ヤンが235.22で入り、初メダルを手にした。初優勝のレイノルズは「こんな結果は予想もしていなかった。信じられない気持ち。でも世界選手権は、もっともっと厳しい戦いになることはわかっている」とコメント。いずれの選手も、ここでの結果を糧にしてロンドン世界選手権には再調整して挑んでくることだろう。
アイスダンスは、ショートダンスでトップに立っていたヴァーチュー&モイアが、フリーでは途中で演技を中断という事故に見舞われた。ヴァーチューの足がこむらがえりを起こしたと会見で語ったが、細かい説明は避けた。結局、勢いのあるフリーを見せたデイヴィス&ホワイトが逆転優勝し、ヴァーチュー&モイアは2位、そして米国の新チーム、チョック&ベイツがシブタニ&シブタニを退けて3位となった。キャシー・リード&クリス・リードはフリーでキャシーが転倒というミスはあったものの、昨年度よりも滑りも表現力も一段とレベルアップして総合7位だった。
ペアでは予想通りカナダのデュハメル&ラドフォードが優勝し、ムーア=タワーズ&モスコヴィッチが素晴らしいフリーで僅差の2位、3位はアメリカのカステリ&シュネイピアと北米勢が中国を退けて表彰台に立った。
田村 明子
盛岡市出身、ノンフィクションライター。1977年留学のため単身渡米し、現在ニューヨーク在住。長い滞米生活と語学力を生かして多様な方面で執筆活動を行う。フィギュアスケートは1993年からはじめ、これまで15回の世界選手権、3度の冬季五輪を取材。選手のみならず、コーチ、ジャッジ、ISU関係者など幅広い人脈を駆使して多面的な視点から執筆。著書に「氷上の光と影」(新潮社)他。
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